感想「テキサス・チェーンソー・ビギニング」
梅雨だ! 湿気だ!! チェーンソーだ!!!
【あらすじ】
『悪魔のいけにえ』の前日談。テキサスの食肉工場で生まれ捨てられていたトーマスを拾い育てたヒューイット一家。トーマスは生まれつきの顔面奇形で食肉工場で働いていたが、工場の閉鎖で我を忘れて工場長を殺害。そのことでヒューイット家にやってきた保安官を一族の長ホイトが殺害、遺体を調理。そんなテキサスに男女4人が通りかかって……。
【感想】
まさしくレザーフェイス爆誕! という内容でした。レザーフェイスは見た目も狂気、行動はもちろん狂気なのでわかりやすいのですが、ホイトの「善人そうに見えて中身が滅茶苦茶の〇〇ガイ」というのもなかなかクるものがあります。
簡単なトーマスの出生紹介後の冒頭はベトナム戦争に行くか行かないかで男女が揉めるという微笑ましいシーンです。これはAVで言う女の子の自己紹介パートみたいなものだと個人的には思っています。
実は『悪魔のいけにえ』を見てからその後日談を見ないで一気に『ビギニング』に飛んでしまっているのですが、なかなか面白い。もちろん主役はトーマス・ヒューイットこと殺人鬼レザーフェイスなのですが、明らかにこの前日談では狂気の保安官ホイトがレザーフェイスを喰っています。物理的にじゃなくて役柄的にね。
要所要所でホイトが「トーマス!」と呼ばれて呼び出てじゃじゃじゃーんな展開でその隙にヒロインが逃げるチャンスがあったりするのですが、その呼び出され方はまるでポケモンです。
ホイト「トーマス、君に決めた!」
トーマス「(電子音的な鳴き声)」
ホイトはトーマスにチェーンソーをつかった!
おめでとう! トーマスはレザーフェイスにしんかした!
だいたいこんな映画です。ろくでもない映画だ。とにかく「チェーンソー」がひとつのターニングポイントで、トーマスがチェーンソーの味を覚えてしまったことが「レザーフェイス」の誕生にかかわっているわけで。チェーンソー起動後の圧倒的なレザーフェイス無双は楽しいです。『悪魔のいけにえ』と違ってこっちではチェーンソーでぶった切っているので耐性ない人にはきついかもしれません。
それから例のよくわからない晩餐シーン。グロとかではなくただただ狂気が恐ろしい。言葉は存在するのに、一切話の通じない人と対面するのはかなり恐ろしい。
そういえばこの 狂気の晩餐シーンは『変態村』でオマージュされているって気が付いた。『悪魔のいけにえ』シリーズでは狂気側がヒューイット一家だけだったけど、『変態村』では村全体で狂気に染まっているのが本気で気持ち悪い。その「気持ち悪さ」が癖になるんだけどさ。
夏も近いので、今年は古典ホラーをたくさん見ようと思いました。実は『13日の金曜日』も『エルム街の悪夢』も『ハロウィン』もちゃんと見たことないんだよ……今年の夏は殺人鬼で決まりっ☆