傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ハロウィン(2018)」

僕らのマイケル・マイヤーズが帰ってきた!

 


映画『ハロウィン』本予告編

【あらすじ】

前作『ハロウィン』の殺戮から40年。過去の事件を再検証する記者があのマイケル・マイヤーズに面会するが、彼は何も語らなかった。次にローリーの元へ向かうが、追い返されてしまう。そしてマイケルを移送する車が事故にあっているのが発見される。ハロウィンの夜、再びマイケル・マイヤーズは殺戮を繰り広げる。


【感想(ネタバレなし)】

みんな大好きハロウィンの完全新作とあってウキウキワクワクです。見に行ったのがGWど真ん中の映画の日だったせいか夕方からのホラーにも関わらず満席となかなかない体験をしました。

 

さて今作のハロウィンですが、これだけ見ても楽しめるようにはなっています。前作との繋がりも少しありますが、「昔やべぇ事件があったんだな」くらいで全然行けます。だけど出来ればジョン・カーペンター版『ハロウィン』を抑えておくとより楽しめるかなぁと思います。

 

ロブ・ゾンビ版でもいいけど、やっぱりオリジナルのほうが話はわかりやすい。でも個人的にロブ・ゾンビ版はめっちゃ好き。ロブ・ゾンビは『ハロウィン2』も作ってるけど完全に「俺の嫁映画」になってるので鑑賞は必須ではないかな。

 

ハロウィンは13日の金曜日みたいに設定がガタガタな続編が出まくってるんだけど、ブギーマンことマイケル・マイヤーズはフレディみたいにおしゃべりしないし、ジェイソンみたいに殺戮にバラエティ性もないしレザーフェスみたいに見た目の派手さもない。でもそのちょっと地味だけど対話不能っぽいところがすごく好き。真面目に何考えてるかわかんない度はトップレベルだと思う(レザーフェイスは2とか見ると人間味溢れてる)。

 

さて今作ですが、オリジナル版のあらすじをなぞりながらブギーマンVSローリーの構図になっています。ローリーの娘と孫も深くストーリーに関わってきますが、あまりベタベタしていなくて最終的には良い気分になれます。ホラー映画で味わう爽快感、最高です。

 

以下映画の内容に触れまくりなのでゾッとしたい鑑賞を希望する方はお帰りください。

 

ハロウィン

ハロウィン

 


【感想(ネタバレあり)】

まず「さすがにルーミス死んでるだろ」ってことで新キャラがルーミスの後釜に収まっているのですが、このキャラが後々超いい仕事をします。

 

例の事件を追う記者二人の退場は思ったより早かったですね。もう少し出てきてくれるとばかり思っていたのですが、ガソリンスタンドのシーンで超見せ場があったので良しとします。

 

今作で1番面白かったのは、ローリーが対マイケル・マイヤーズ用に武闘派にチェンジしていることでした。しかし武闘派すぎて娘カレンにも虐待まがいの訓練を仕込み、娘と別々に暮らすことに。孫のアリソンは祖母を心配しているが、ローリーの中の地獄を彼女たちは知らない。ボニー&クライドの逆仮装とかして盛り上がっちゃう。

 

ところでアリソンの彼氏、別の女の子にコナかけてたからアリソンと別れて、それで退場なわけだけど、おかげでマイケル殺戮から逃れられたと思えばラッキーだったのかな。いや、コナかけてなかったらアリソンが友人1に壁ドンされることもなかったから余計話をややこしくしてしまったのかもしれない。

 

そんなこんなで野に放たれるマイケル・マイヤーズ。個人的に「金槌を手にする→ギャーっと言う声→包丁に武器チェンジ」のテンポの良さがいいですね。あとリズミカルに死体が増えていくところもいい。

 

この辺でローリーがカレン旦那に武器を渡すシーンはドラえもんがネズミを退治するのにジャンボガンと熱線銃を用意しているように見えて結構滑稽でした。

 

さてブギーマンに襲われたアリソンが助け出され、一安心かと思えばまさかのルーミスの後釜が造反。「マイケルが人を殺すところ、ついでにローリーと対決するところ見たいんじゃー」とわけのわからない理屈をこね始め、そんなことをやっているからマイケルにぐちゃーされてしまいます。この辺辻褄合わせの超展開でこういう脚本大好きです。

 

そうこうしているうちに要塞チックなローリーの家にマイケルはたどり着きます。毎度毎度思うのですが、マイケルはローリーの何を辿ってきているんだろう? 匂い?

 

カレン旦那が可哀想なことになり、地下室に立てこもるローリーとカレン。なんと外には逃げてきたアリソンが。カレンを地下室に置いてマイケルをショットしにいくローリー。ここの緊張感、ベタだけど雰囲気あって好きです。

 

最終的にアリソンも地下室に逃げ込み、マイケルもローリーを倒してやってきます。「ママごめん、私にはどうしてもできない」と銃を手に泣きごとを喚くカレン。入口にマイケルがやってきた、さあどうなる!?

 

とまあここからの怒涛の展開が本当に大好き。親子三代でマイケル退治をした一行が助け出されてエンドなのですが、この爽快感たるやなんと表現してよいのか。あれです、「悪魔のいけにえ」のラストの「ざまぁwwww」な感じにすごく近い。それを狙ったのかもしれない。とにかくすごくよかった。

 

でも今作からまた続編も作れそうな感じなので「どうせハロウィンだし」と期待しない感じで待ってます。おしまい。