傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「13日の金曜日2」

 ジェイソンはまだホッケーマスクをしていない。

 

13日の金曜日 PART2 [DVD]

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【あらすじ】

 前作『13日の金曜日』で惨劇を生き残ったアリスが何者かに連れ去られるという事件が発生する。一方クリスタルレイクでは性懲りもなく指導員の研修が行われ、「ジェイソンはまだ生きている」という怪談で盛り上がる。

 

 【感想】

 まだ2つしか見ていないけれど、13日の金曜日シリーズのことを考えると「なんでわざわざそんな呪われたみたいなクリスタルレイクで指導員の研修をやるの?」という疑問が沸いてきます。

 

 過去に子供が溺れ、その母親が閉鎖に追い込み、やっと再建したかと思ったらまた母親が大量殺人を行って……。「呪われてるだろ!」としか思えないその場所でなんで何度も何度も若者が集まってセックスをするのか。「そうしないと映画にならないから」というメタな理由はおいておいて、とにかくアメリカの若者のキャンプにかける情熱というものは日本人から見ればわからないものなのでしょう。

 

 そんな謎の執念で再開されたクリスタルレイクでの研修中、「殺人現場に行ってみたい」とかほざくカップルとか最終日はハメを外してウェーイとか、なんていうかもう不安しかありません。この映画はホラー映画なので不安になるのが当たり前ですね。

 

 とりあえずさくっとジェイソンさんにご登場願いたいところですが、まだこの映画ではジェイソンはホッケーマスクを被っていませんし、もちろんチェーンソーも持っていません。多彩な武器で若者を次々とショットショットしていくのですが、その顔はズタ袋で隠されています。正直、ホッケーマスクよりこっちの方が怖いです。でも顔を隠すアレだったらマイケル・マイヤーズのほうが好きです。

 

 ズバズバと殺していって、そしてなんか生き残りそうな女が飛び込んだのがジェイソンさんの隠れ家で、そこにあったのは前作でちょんぱになってしまったジェイソンママンの干し首とごろごろ置かれた死体でした。どうやらジェイソンさんはママンを生き返らせようとしているみたいです。それかママンの墓前に捧げものでもしていたのでしょうか。ここで女が児童心理学を研究していたと言う伏線が有効発揮されて、ママンのふりをしてジェイソンさんに優しく語りかけるシーンがあります。なんかこの辺はすこしせつないです。

 

 しかし説得は効果があったのかなかったのか、結局失敗してジェイソン覚醒。車のドアにぶつかったりチェーンソーで脅かされたり、今回は散々ドジっ子なところを見せるジェイソンさんですがクライマックスはやっぱり存在感を見せつけます。

 

 最終的に「結局ジェイソンって何者なの?」というのがイマイチ見えませんが、それはここからジェイソンさんがジェイソンさん無双を決める始まりの一歩という感じなので生暖かく見守ることが大事なのでしょう。次回、若者はクリスタルレイクでキャンプすることを諦めるのか? それともいよいよジェイソンさん無双が始まる……のか?