傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「斬撃 -ZANGEKI-」

 今月のセガールレビュー、復活!

 

 

【あらすじ】

 正義のゾンビハンターセガールがゾンビを斬って捨てる。

 

【感想】

 2015年の目標に「今月のセガールを全部レビューする」というどうしようもない目標を立てていたのにもかかわらず、『S・セガール劇場』を全話レビューした結果しばらく極度のセガールショックに見舞われ、更に『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を見て「映画とは何だろう」という無我の境地に達した結果、こんなにこの企画が進まないことになったのです。でもいろいろ立ち直ったのでストックを何とか書いていきます。

 

 まずはこちらの『斬撃 -ZANGEKI-』。セガール作品で「沈黙の~」ではなくこの邦題が付けられたシリーズはなかなか「Oh…」というレベルが高い作品となっているみたいです。 

 

 で、この映画あらすじだけ見ると「セガールVSゾンビ」という夢のタッグマッチなわけですよ。正確には「ヴァンパイアウィルスに犯されて生き血をすするようになった人々」なのですが、とりあえずゾンビと言うことにしておきます。死んでも死なないゾンビを殺しても殺されないセガールがバッタバッタと一方的になぎ倒していくストーリーを大体想像するじゃないですか。セガールファンはみんなそう考えるわけです。

 

 でも、セガール映画はそういうファンの期待をバッサリと裏切ることにかけては天才的です。まず、セガールがあまり登場しません。終始廃病院に逃げ込んだ若者集団が逃げ切れるかどうかが話の中心です。ゆえにアクションシーンは少なく、せっかくのセガールポン刀もあまり活躍しません。それに「何故病院にいれば安全なのか」「セガール以外に救援の当てはなかったのか」「いくらなんでも病院広すぎだろう」とか、考えるとキリがないので止めることにします。アンブレラ社並に広い病院も不思議だ。それに「セガールが戻らなくても夜明けとともに病院を爆撃する」という軍の今更謎決定も突っ込んではいけないところだ。

 

 それにせっかく生存者を見つけたのに最後まで守ろうとせず、「俺たちはもうひと暴れするからオマエラ先に行け」とせっかくの生存者を取り逃がす(?)謎の行動。そのせいでせっかくの生存者は少なくなるし、話はややこしくなるし、最後は何故か「笑ってはいけない」の恒例ラスト並にゾンビが大挙して押し寄せる謎展開。何人か無事に生還出来て良かったね、めでたしめでたし。

 

 とりあえずセガールがアクションしてくれれば話の筋もある程度気にならないのに、肝心のセガールが少ないのである意味ストレスのたまる映画です。ただ「セガールVSゾンビ」という時点でお察しな案件なので期待してみないほうがいいです。というか、セガール映画が見たいなら他の映画を見たほうがいいと思いますし、ゾンビ映画が見たいなら他に秀作がたくさんあると思うのでそちらをどうぞ。