傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「死霊のはらわた」

 2016年の最後を死霊たちが飾ってくれたぞ!

 

死霊のはらわた [Blu-ray]

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【あらすじ】

 古いペンションへやって来た若者たち。地下室にあるテープレコーダーを再生すると、なんと死霊が蘇って若者たちを襲い始めた!

 

【感想】

 さて年末だしサム・ライミの有名どころをきちんと見ておこうと思ってワクワクしながら鑑賞しました。大変画面が色とりどりで本当にクリスマス気分を味わうことのできる楽しい作品でした。

 

 まずとにかく展開がスピーディー。序盤すぐに問題の別荘へ到着し、適当にイチャイチャが挟まれつつすぐに怪しい地下室がやってきます。地下室の中には触ったら呪われそうな本とテープレコーダーがありました。これ、くるくる回るテープレコーダーだから怖いのであって、現代風にipodとか置いてあっても絶対怖くない。急にipodから悲鳴が聞こえるとかそういう小細工しないと怖くならない。テープレコーダーは偉大。

 

 そんでテープレコーダーを再生したら「この呪文を唱えると死霊が復活する。今から呪文読み上げるね」って何のために録音したのかわからない音声が再生される。本当にこれが謎。もちろんこれがなければこの映画は成立しないというのは別にして、可能性としてこの博士が呪いの拡大を狙っていたのか、それとも研究者がビデオをセットしてカメラ目線で「〇日目。今日も研究は進んでいる」とかそういうのをやりたかったのだろうか。それにしても呪文の部分はテープに残すべきではなかったな。

 

 そういうわけで死霊さんたちが復活したわけなのですが、最初にやったことは植物アタックで女の子をひん剥こうとかそういうエロいことです。この映画にホラーおっぱい要因がいないからってそんな過激なことしなくても……と思いながらいいぞもっとやれと熱い気持ちで見守りました。さて盛り上がってまいりました。

 

 それから次々と死霊に身体を乗っ取られる若者たち。この映画の怖いところは、「知らないモンスターに襲われる」のではなく、「かつての友人が襲ってくる」所にあると思う。今まで仲良くしていた人を「呪われているから」という理由で殺すことが出来るのか。主人公アッシュ君の苦悩もシンプルながら面白い。

 

 最終的に主人公以外みんなでウボアーとなってアッシュ君に襲い掛かるのですが機転を利かせて死霊を追い払うことに成功します。その映像のぐずぐずに腐っていく過程! この場面は現代で見るからこそ作り物臭いのですが、当時の映像技術で言えばかなりの凝った演出だったのではないでしょうか。なかなかチーズが食べにくくなる映像でした。これを見た後ハンバーグをこねる予定にしていたのを少し後悔した。

 

 そんなわけでとってもシンプルで面白い映画でした。これで2016年の更新はおしまいです。今年はキネノートによるとのべで110本ほど映画を見たそうです。一応目標の100本は達成できたので、来年もたくさんくだらない面白い映画を見ていきたいと思います。それでは良いお年を。