傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「パラノーマル・アクティビティ」

 ラストまで気を抜くんじゃない。

 

 

【あらすじ】

 不可解な出来事に悩んでいるカップルが、家のあちこちにカメラを設置して怪現象の謎を突き止めようとする。しかしカメラは想像を超えるものを映していた。

 

 【感想】

 いわゆるモキュメンタリーって奴です。そんでこの映画割と怖い怖い言われています。でもモキュメント慣れしている人には途中まで割と退屈な映画だと思いました。そう、途中までです。

 

 ぶっちゃけ途中までカップルがイチャイチャしてたり喧嘩してたり悪魔祓いだーとか撮影を辞める辞めないでワーキャーやってるだけで、たびたび思い出したかのように何か怖そうな映像が入るみたいな感じで「うむ、微笑ましい」という感じでした。おら人の恋愛事情に興味ねえだでな。

 

 しかしただイチャついているだけでなく、やっぱり怖いものは怖いもので次第に「実は……」みたいな展開があったり粉撒いたところに人外の足跡があったりとオカルトめいた展開も挟まれます。呪いのボード的なものを「買ってくるのは止めてって言ったでしょ!」と彼女が怒っているところに「買ったんじゃない!借りたんだ!」という彼氏には非常に呆れたのですが、その後そのボードが謎の自然発火を遂げているので貸した友人かわいそうだなとか思いました。そう、あんまり本筋じゃないところに感心しています。

 

 ところがところが。最初のイチャイチャ喧嘩モードが次第に「マジかよ……」という空気になっていって、遂に寝室で……と言ったところです。ラスト直前の「何故か勝手に引っ張られるよ現象」はよく悪魔系のホラーで登場しますね。『死霊のはらわた』とかその辺。Jホラーではそういう文脈あんまりないよね。地面から手が伸びてきて引っ張られるとかそういうのはあるけど、空を飛ぶレベルで引っ張られるのはどっちかというとシュールで笑える系に含まれるのかな。

 

 で、肝心のラストなのですがこれが非常に怖い! モキュメント慣れしててわかっていても怖い! 定点カメラの使い方を監督はよく知っている! すごい! 最高! しびれた! でも続編は積極的に観ようと思わないかな!

 

 この映画、超低予算で7日で作られたとかwikipediaに書いてあったので確かにそんな感じだなーとか思いました。それでも最後のシーンはなんか感動しました。ホラーで感動ってなんだろう。感性がやっぱりおかしい。