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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「カルト」

 異世界の神 VS 金髪退魔師

 

カルト [DVD]

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【あらすじ】

 心霊現象に悩まされる家庭に行くと言うレポートを言い渡された女性タレントたち。いざ出向いて見れば、その家に憑りついているものは「人間が触れてはいけないもの」だった。霊媒師たちの必死の攻防の後、強力な霊媒師「ネオ」が人智を超えるものと対峙する。

 

【感想】

 白石節を感じるアツい一本。自分が好む映画の特徴として、「監督独自の『ああこれがやりたかったんだな』がわかる奴」というのがありまして、その辺白石監督の映画とわりと相性がいいみたいです。いわゆる心霊モキュメンタリーなのですが、わざとらしい除霊にわざとらしい妖怪。そしてわざとらしい漫画のようなキャラクター。そんな面妖な雰囲気を映像に収めるのはセンスだよなぁと思うのです。

 

 で、この『カルト』は前半は強い霊が退治できないという胡散臭い除霊対決。そして後半は胡散臭さがパワーアップした霊媒師「ネオ」が呪いというより異世界の神と戦う一粒で二度おいしい構成です。「もうダメだ」という時に颯爽と登場するヒーローのような「ネオ」がかなり異質です。もうこのキャラだけでお腹いっぱいなのです。

 

 じゃあ前半がつまらないかというとそうでもなくて、家に憑りついた霊を退治してほしいという番組企画で母娘と犬の住む家に女性タレント3人が向かいます。そこに霊能者として雲水という「いかにも~」な人が現れます。そこでいろいろあるのですが、霊があまりにも強力で犬が死亡すると言う非常時に雲水さん除霊中にケータイを出して師匠の龍玄さんを呼び出します。まるで隣町のチンピラと出会ってしまった下っ端チンピラです。

 

 そこで呼び出された龍玄も強力な霊に憑りつかれてしまうのですが、最後に頼ったのが「ネオ」でした。「ネオ」は仮名で、本名を知られてはいけないという呪術の世界がちらちら見えるのもいいですね。そしてこの「ネオ」のビジュアルがいい。金髪で皮の手袋に黒スーツ。どっかの漫画で「退魔師NEO」なんて連載していてもおかしくないような風体。それなのに「俺の力で解決するんだ」とマイペースに事件をぐんぐん解決していく。最後はCGの「異世界の神」を封じ込めるために力を消耗し、やっと見えた敵の正体に「本当の戦いはこれからだぜ!」と見栄を切ってエンド。なんていうか、ここまで潔いと感心してしまう。

 

 ネオ君に全て持っていかれそうなこの映画なのですが、割と細部にこだわっているところも好きです。例えば雲水&龍玄のお祓いとか大体隠しカメラの映像であるところとか霊の正体が隣の家だったとか、仕事を途中で投げ出したことに対する叱責とか。特に隣の家のイベントは「嘘だ」とわかっていてもやはり怖い。正体不明の変なやつより、実際に生きている人間の方が怖い。そんな小さな怖さをちまちまはさんでおいてメインディッシュはアレだから、ある意味救いがあるのかもしれない。

 

 とりあえず万人にオススメできる映画ではないのですが、心霊フェイク系が好きな人にはよだれが出るような作りになっているので是非見てほしいなぁと思いました。おわり。