傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「マーダー・ライド・ショー」

 やっぱりロブ・ゾンビ、あんた最高だぜ。

 

マーダー・ライド・ショー SPECIAL EDITION [DVD]

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【あらすじ】

 ハロウィンの前夜、ガソリンスタンドを備えた「殺人博物館」に入った若者4人。そこの怪しいピエロからこの近くに「殺人鬼が吊るされた木」があるという情報を聞いて、そこへ肝試し感覚で向かうことになり、道中怪しい女性を拾って彼女の家へ行くことになる。

 

【感想】

 ぶっ飛んでますね。のっけから強盗がやってきて訳の分からない罵り合いの後ズドン。このスピード感あふれる展開に心を掴まされました。

 

  そんで邦題のマーダー・ライド・ショーは序盤にちょいっとしか出ません。でもこのシーンもかなり作りこまれていて、非常に楽しいです。人の皮をなめしているような動きをしているエド・ゲインがいい味出してました。

 

 実はこのマーダー・ライド・ショーは話の導入でしかなくて、本編は「殺人鬼ドクター・サタンが処刑された木を見に行きたい」と肝試し気分でいたところ、怪しい女ベイビーを車に乗せたところからです。いろいろあって見るからに怪しい家に連れてこられ、どう見ても怪しいハイテンションなお家で狂気の幕が切って落とされます。この辺のアヤシイもてなしのシーンは『悪魔のいけにえ』の恒例狂気の晩餐シーンを彷彿とさせています。この作品自体が『悪魔のいけにえ』のオマージュなので気を楽にして見れいられます。 

 

 そして謎の見世物小屋パートが終わると、いよいよ恐怖の宴の開幕です。それにしてもこの一家は楽しそうに人を殺す。テキサスの某チェーンソー一家よりも楽しそうだ。「はい、人魚。キャハハ」という謎の笑いのエッセンス。もう笑うしかない。一緒に兎狩りを楽しむしかないのだ。

 

 後半は生きたまま棺桶に入れて吊るされて、謎のゾンビ軍団から逃げるとなんと死んだはずのドクター・サタン(?)がまだ脳をいじって超人を生み出していたらしい、というあっぱれな展開。この辺の映像が本当に「これがやりたかったんだなぁ」というのが伝わってきて面白いです。死体で出来た通路をおそるおそる通るシーンは必見です。

 

 それから面白かったのが「おお、助けの手がもう来るか!?」というところで見事に裏切られるパターンが続くところ。中盤で保安官がやってくるのに撃退されて、ラストも「THE END?」という終わり方。中盤の保安官殺害時の謎の引きと間は見ているこっちが時空を歪まされているようで面白かったです。

 

 この映画、2も面白いらしい。すげぇ面白かったのですげぇ見たいです、おわり。