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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ムカデ人間2」

洋画 カルト ホラー

 とにかく「ひでえ」と評判だったので観ました。

 ※感想だけでも胸糞悪いので趣味の悪い方以外は読まないでください。

 

ムカデ人間2 [DVD]

ムカデ人間2 [DVD]

 


 【あらすじ】

 哀れな中年男性マーティン君は「ムカデ人間」の大ファン。駐車場の警備の仕事をしながらPCで鑑賞して興奮しちゃうくらい大好き。そんなマーティン君は父親から性的虐待を受け、母親はチビデブ中年の不出来なマーティン君を殺したいと思っている非常に不幸な状態。マーティン君は「ムカデ人間」を自分でも作ろうと思い、駐車場で適当な男女を襲って拉致し、貸倉庫の中で驚異の人体実験を実行する。 

【感想】

 まず、「2」を見ようと思って「1」を借りたレンタル屋に行ったら「2」は取り扱っていませんでした。「ガッデム!」と隣のレンタル屋まで足を運んで「2」を見つけた時「やったあ」という笑顔になったのですが、よく考えなくても「わあい☆」というリアクションで棚からDVDを引っこ抜く姿も含めて18禁な気がします。
 前評判として「1でマイルドだった結合部や例のシーンなどがモロに描かれている」「中身もエグさバージョンアップ」との噂を聞いてワクワクしてヨーグルトでも食べながら鑑賞しようとデッキに入れたのですが

 期待以上でした。

 

 さて、個人的にこの映画のグログロシーンベスト3を発表します!

 まず第3位!「医療技術もないのにムカデ人間作っちゃうぞー」
 前回のハイター博士は頭はおかしかったですが医療技術はぴか一の折り紙つきでした。実際手術のシーンなどもスマートでそういう意味のグロさは前作にはあまりありませんでした。ところが今回は所詮警備員のチビデブハゲ三拍子そろったマーティン君です。外科手術をするはずなのに用意しているものの中に何故か金槌と工業用ホチキスが。金槌は歯を除くための道具のようです。歯の除去シーンがこの映画屈指の痛いシーン。そして映画の真似して雑にフェルトペンで印をつけ、お尻の肉とジョキっと切り取ったけど、さすがにムカデ要員肉をえぐられてショック死してしまう。死んじゃったムカデ要員をバンバンと叩き悲しみにくれるマーティン君。

 そらそうなるだろうよ。

 外科手術でつなぐことをあきらめ、ホチキスでバスンバスンと口と肛門をつないでいきます。はずれないように粘着テープで頭を固定します。なんて雑な作り! そんな雑なムカデ人間がうごうごしているのは圧巻です。

 

 そして第2位!「ムカデ人間作ってやることがこれかー」
 前作ではハイタ—博士が言うことを聞かせようと鞭を振り振りちいぱっぱだったのですが、マーティン君はムカデ人間でやりたかったことは前作でマイルド表現だった「排泄物リレー」ということでハイタ—博士の真似をしてご飯をあげようとしますがもちろん拒否られます。ご飯を食べなきゃ出るものでない。マーティン君はじょうごを使って無理矢理えさを流し込みますが、そうすぐに出て来るものではない。さてさてマーティン君は考えた。「下剤を使えばいい!」さっそくムカデ人間全員に下剤を投与。その惨状は推して知るべし。さすがのマーティン君もこれには嘔吐せざるを得ない画面に付着するほど飛び散る激しいスカトロシーン。でも熱く噴き上げる衝動を抑えきれなかったマーティン君。自分もムカデの一番最後に違う部分を連結させて想いを達成。「リービングラスベガス」できったねえセックスシーンとか言ってたけど、ごめんなさい。たぶん日本の変態AV漁ってもここまで汚ねえFUCKは存在しねえよ。


 パンパカパーン!栄えある第一位は「マーティン君の存在全て!」
 ムカデ結合パートは何だかんだと後半部分だけです。でも、このマーティン君はずーっと画面にいるんです。経歴は父親性的虐待を受け、そのせいで父親は刑務所に。それを恨んで母親はマーティン君と心中しようとしているという人生ハードモード設定。しかも「どこでこんな逸材見つけてきたんだよ」というくらい放送禁止なチビデブハゲの中年男性。警備員の前に「自宅」という言葉を置いて「デュフフ」とか喋らせたらお似合いの容姿。しかもほとんど喋りません。リアクションとか、「うーうー」「あばばば」的な喃語だけで彼は全てを表現します。ここだけ見ててもこの映画背筋が寒くてハイタ—博士がいっちゃんまともな人物に見えてくるからタチが悪い。

 このマーティン君の行動を書き出すだけでもうお腹いっぱいです。

・警備員室でハントできそうな人材を見つけたらピストルで足をバーン。抵抗したらバールで頭をポコン。あとは粘着テープで縛って拉致終了。
・前述の過去により肛門がゆるいせいか寝ながらベッドの上で大のおもらし。
・貸倉庫を見せてもらうとき、オーナーを銃殺。あとさき考えない。
・警備員室で「ムカデ人間」を鑑賞。ちょっとムラムラしちゃったから紙やすりで大事なところをこすこすこすこす……うっ。モロにぼかしの入る愉快なシーン。
・本物のムカデも大好き。でもカーちゃんがムカデを捨てようとしたからカーちゃんの顔にムカデを押し当てちゃった、そんでカーちゃんうるさいからバールでポカポカやってちょっと黙らせてやったよ。ついでに上の階のおっかない刺青にーちゃんもムカデ要員にスカウトしたよ!
・前作では体格の差とか考慮していたけど、特に何か考えているわけじゃないから臨月の妊婦さんでも拉致っちゃったよ! 後で破水して大変だった!
・赤ん坊はかわいいけど、ムカデ人間にはならないから車の中に置きっぱなしにしたよ!
ムカデ人間に出ていた女優さんきれい! タランティーノ監督の新作のオーディションとか言っておびき出して先頭にするよ! でもうるさいな! そうだベロを引っこ抜くぞお!
・さあムカデを作ろうと思ったけど、ボク麻酔持ってない! そうだ! バールで殴って気絶させよう! 片っ端からポカンポカンポカン。
ムカデ人間できたー! わーい! うれしくて涙出ちゃう。
・ちょっと、なんで二つに分裂するわけ?(ホチキス止めだからねえ)ムカつく、死ねえ! バンバン! あれ、弾がなくなった。よし、ナイフでとどめだー!

 個人的に「ポカンポカンポカン」のシーンでは「あ、これ笑うところだよね? これあり得ないもんね、究極のブラックシュールだよね?」と遠慮せずに笑わせてもらいました。あと愛するムカデ人間ファイルを母親が破り捨てるシーンで「カーちゃんそれ死亡フラグだよ」とニンヤリさせてもらいました。ただ妊婦が出産の後逃走するシーンは見た目も精神的にも相当グロテスク。おぎゃーという感じですね。

 あとマーティン君の最期。序盤で「ムカデは男根の象徴」とか言ってたけどムカデ人間の反撃により、かわいいムカデをマーティン君のお尻の穴にすぽっと入れられています。わーお。切開シーンよりこっちのシーンの方が心理的にダメだった。虫は苦手なんだよお!

 全体的にバールの尖端でポカンポカン殴るシーンが多いのですが、普通に考えなくても絶対死ぬと思うんです。でも、このムカデ人間要員たちは何故か当たり前のように生きているんです。それもそもはず、この映画は全て「マーティン君の妄想」という夢オチだったのですから。最後は警備員室で赤ん坊の泣き声を聞くマーティン君のカットでオシマイ。現実にこんなことやってたら間違いなくすぐ見つかります。結局すべてはマーティン君の夢のお話なのでした。

 ぶっちゃけ切り刻む拷問シーンを見て喜ぶバカはたくさんいるでしょうが、ガチスカトロで喜ぶバカはそんなにいないと思うのです。「うへぇ」と思ったところにまさかの最後尾マーティン合体で爆笑させてもらったのですが、この映画のキモは「ムカデは男根の象徴」というところを思い出しましょう。マーティン君が欲しかったのは12人分のムカデ人間と言う名の自分自身だったのでしょうね。もう一度言います。「うへぇ」。

 多分今までにない長文になっていると思いますが、そのくらいこの映画のショック度合いが強いと言うことです。正直この映画は前作にあったムカデ人間の気持ち悪さとかそういったのは二の次で、どれだけマーティン君がキモイかというところが全てです。マーティン役のローレンス・R・ハーヴィーさん、アンタ仕事は選ぼうよ。でもすっごいいい仕事だったと思うよ。あと監督のトム・シックス。「3」は刑務所で500人つなぐんだって? アンタ一体何を食ったらそういう考えになるんだ。「わたしはふしぎでたまらない、たれにきいてもわらってて、あたりまえだ、ということが。」(by金子みすゞ)いや当たり前じゃないんだけどさ。

 

【追記(2016/9/27)】

 無事にムカデ人間が三部作で完結したと思ったら、予想の如く1~3のBOXが発売されたのですが……BOXの映像特典がすごかった。

 

 ムカデ人間2の完全カラーバージョン。

 

 もう涙を流しながらBOXを購入してハイタ―&ビルボスの若本ボイスを堪能し、カラーマーティンを拝むしかないのですよ。そんで拝みました。よいこのふろくといった感じのハイタ―博士のペーパークラフトが不気味で最高です。

 

 

 それで肝心のカラーバージョンなのですが……エグい。エグすぎる。モノクロで誤魔化していた部分が惜しげもなく画面を汚していく。想像通りムカデ連結シーンのぶちゃっとした感じはパワーアップして「ののおおっ」っという感じなのですが、カラーにしたことで心に残ったのは紙やすり自慰とママン頭部破壊シーンですね。紙やすり自慰は白黒&日本のぼかし規制ではわかりにくかった部分でもカラーでモロに真っ赤な血液がどろっとしているのが映りこんでいて刺激的ですね。ママン頭部破壊は向こう側が見えるママンの様子が鮮明にわかります。ぶっちゃけムカデよりママンのほうがエグイです。

 

 それからメイキングが意外とほのぼのしていて面白いです。ダミーお尻とか特殊メイク中とか、監督に「ここで性器を見せるように」など演技指導してもらうハーヴェイさんとか、そこでぼかしのない有刺鉄線付のギミックが丸見えになってたり。出演者が「なんでこんな仕事受けたんだろう」って我に返ってるシーンもシュールでいいですね。スタッフの人が「水滸伝」って書いてあるトレーナーらしきものを着ているのも地味にツボです。

 

 もうこれ以上のシリーズは期待できないけれど、とにかく「画面を汚くする」という点ではこれ以上の作品はないと思う。すごい。またこういうなんかすごいの見たい。