傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ダーク・シャドウ」

 ティムfeat.ジョニデで吸血鬼は基本ですか。

 

ダーク・シャドウ [DVD]

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 【あらすじ】

 名家コリンズ家の出身だけど、魔女の求婚を断った結果恋人を殺されて自身も吸血鬼にされて200年ほど眠らされていたバーナバスさん。目覚めてみれば文明開化の世の中で車や電灯にビビりまくる。やっと探し当てた子孫は未だ続く魔女の呪いで落ちぶれているし娘は超絶反抗期で息子は幽霊が見えると言いやがる。バーナバスさんのスーパーパワーでコリンズ家は復興できるのか?

 

 【感想】

 吸血鬼と言えば小っちゃいとき見た「映画ドラキュラ」のイメージが強すぎてジョニデに最後までマッチングしませんでした。多分コッポラの映画なんでしょうが、何分切れ切れの記憶なので確認しようがありません。ただカミソリについた血をべろって舐めるところはなんとなく覚えているので確認の余地ありです。


 んで、「ダーク・シャドウ」に戻ると、もともとこの話は1970年ごろ放送されていたテレビドラマで、そのリメイク的なポジションだそうだ。ティム節がイマイチ生きていないのはこの「原作」に制約されているところもあったのかもしれない。「猿の惑星」もそんなカンジしていたし。

 だけど「ティム風味アダムスファミリー」はキライじゃないです。ヘレナ・ボナム=カーターは相変わらずお美しいし、魔女アンジェリークの変態チックな愛情も変態でよろしいですし、屋敷の人物全てどこかねじがぶっ飛んでいて見どころがありました。

 意外と吸血シーンがライトに描かれているのもコメディ要素として必要だったのかもしれません。工事作業員はちょっとかわいそうでしたが、ヒッピーをためらいなく惨殺するシーンは痛快でした。愛と平和よりも血液。

 クライマックスの大乱闘はシリアスなシーンというより、「もう何でもいいからヤッチマイナー!」という投げやりな感じがよりコメディを強調している気がしました。「え、ちょっとこの一家呪われ過ぎだろ!」と思うような点が多々。ママンはハッスルしちゃうし、娘は急にケモノに変身するし、息子はいきなり「いけ!僕のママ!」って急にスタンド使いみたいなことしちゃうし、まードリフの舞台が倒れるみたいな感じで面白かったけどね。

 ただ割と唐突な展開が多いので痛快コメディとして見ないと本当についていけなくなるのが残念。最初はオドロオドロを期待してしまったので途中からスイッチを切り替えるのが大変でした。これは最初から「コメディ」と割り切ってみたほうがいいです。恋愛要素? そんなものはおまけだ。