感想「イージーライダー」
ぼくらのー自由をーぼくらのー青春をーおおげさに言うのーならばーきっとそういうーことなんだろー
【あらすじ】
【感想】
「そんで死ぬ」
本当にそうとしか言いようがない。基本的に時代背景がわかっていないとどうしようもない映画で、ベトナム戦争でウッドストックでヒッピーがウェーイwwwってやってるアメリカの黒歴史をめいっぱい詰め込んでいる感じ。冒頭の「ワイルドで行こう!」はかっこいい。「自由とはこういうことさ」と画面で主張してきている。台詞は一切なくて、ただBGMとバイクで走っている風景だけなのに、こちらまでどこまでもいける気がする。
あと、カーニバルでラリった映像効果は実験的で面白い。映像も時間もぐちゃぐちゃになって、何をしているかわかるのに、わからないような気にさせる。この時は肉体から精神を自由にしているってことなんだろうか。
それでも主題はきちんと明示されていて、ジャック・ニコルソンが言う「自由のために殺人だって行う国だ」というメッセージが全般的に比喩のようにちりばめられている。自由に生きているようで自然に束縛されているヒッピー・コミューン。余所者を殺すことに抵抗のないある意味自由な田舎の因習。そんな中、それでも自由に走り出そうという二人に襲いかかる「自由」な弾圧。この辺のあまりにもサラっとしすぎた描写が意外と怖い。「自由になるには、あまりにも自由過ぎた」ということだろうか。今の時代に見ると古臭いけれども、何も考えずに景色だけ見ていても面白い。
個人的には喫茶店のアメリカンなネーちゃんたちが好きです。あのどう見ても頭悪そうな感じが「何が自由じゃボケ」と思うくらいテンプレートっぽい。実際ヒッピーも田舎者も「テンプレート」を前面に押し出している。「自由」にも「テンプレ」が用意されている、面白い国アメリカ。それと、なんとなくバイクが自由の象徴っていうのも、面白いなぁ。これは今にも通じる普遍的な記号だなぁ。