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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ブラザーズ・グリム」

 テリー・ギリアム作品と言うことで気になってはいたけど、ちょっと見の評判が「兄弟でBLチック」ということで後回しにしていたけど、ラプンツェルもあったので思い切って見ちゃいました。

 

ブラザーズ・グリム [DVD]

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【あらすじ】

 グリム兄弟は「魔女退治」という名目で村々を回っていたけれど実際はペテン師。弟のジェイコブは民間伝承学者で、兄のウィルは技師(ペテンに使う小細工担当)。ところがペテンを見破られフランスのドゥラトンブ将軍に少女連続失踪事件の謎を解くように言われ、イタリア人拷問技師のカバルディと一緒に現地に同行する。村では少女たちの消えた森は呪われていると言われていて、狩人の娘を案内人に森に入っていくが、どうやら呪いはイカサマではなかったようで……。

 【感想】

 ギリアムと言えば「ローズ・イン・タイドランド」だったのですが、あの映像そのままに冒険活劇みたいにしてあって個人的にハマりました。ギリアムの映像大好き。


 で、内容ですが「グリム兄弟は詐欺師だった」みたいなどこからか訴えられても仕方がない設定です。しかもところどころにカバルディご自慢の拷問道具が出てきて、この作品の方向性がよくわからなくなるところがあります。たぶんあの器具に割と金がかかっている気がする。しかし、あの魔法の森もずいぶんとこだわって作ってあって、本当に不気味だった。映像マジック万歳。

 

 さて小ネタレベルにまき散らされたグリム童話を回収してみます。


・牛と引き換えに魔法の豆を貰ってしまう。(ジャックと豆の木
・森で行方不明になる女の子の頭巾が赤色。
・お菓子の家を探しに行ったヘンゼルとグレーテル
・戸を叩いてリンゴをあげようとする老婆。
・森の中の出入り口のない高い塔。髪の毛で上り下りする。
・魔法の鏡の中に邪悪な女王がいる。
・行方不明の少女にはガラスの靴が履かされている。
・行方不明の少女は眠らされて石棺の中にいる。
・カエルにキスをすると帰り道を教えてくれる。
・キスで全ての魔法が解ける。

 

 他にもいろいろあると思いますが思いつく限りこんなところです。多分酒場でジェイコブが一生懸命話そうとしている話も何か元ネタがあるはず。「グリム童話のシンデレラは毛皮の靴で、ガラスの靴を履かせたのはペローじゃなかったっけ?」こまけえことはいいんだよ!!あと元ネタがあるかどうか微妙ですが指輪を投げ込むと水面が凍るシーンが好きです。指輪を海に投げ込むって童話はグリムじゃなかったかな? 魚に食べられて戻ってくるというあたり結構好きなのですが。魚に食べられて戻ってくるのは「鈴の兵隊」もそうだね。こっちはアンデルセンだけど。

 

 細かい部分だと、フランス軍が酒場にやってきたとき「ラ・マルセイエーズ」をしぶしぶ流すところで笑えました。「カサブランカ」の逆バージョン。でも「ラ・マルセイエーズ」ってフランス革命のときにできたんじゃなかったっけ……? こまけえことはいいんだよ!(2回目)


 「兄弟BL」という変な前評判でしたが、普通に兄弟愛で片付けられると思うのでこの拡大解釈は腐ったお姉さんたちの変なエサだったのですね。別に変な意味なく見られます。恋愛要素も普通の盛り込みです。物語の基本には忠実に、それでいて小ネタ満載で何回か見てニヤリとする系の映画でした。


 最後にこれだけ言いたい。

 

 あんなおっかないジンジャーブレッド・マンは初めて見たよ!

 

 というか「ジンジャーブレッド・マン」を見るたびに子供向けの雑誌か何かに「しょうがパンマン」とかふざけた訳が載っていたせいでそのやるせなさも一緒に思い出されるんだよ! まだ「しょうがパンぼうや」のほうがましだよ。直訳すりゃあ言ってもんでもないんだよ。