傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ゴーストバスターズ」

 ゴーストバスターズ

 

 

【あらすじ】

 超常現象を研究する怪しげな科学者三人組は、予算が出せないと言うことで大学から追い出される。そこで超常現象を解決する会社「ゴーストバスターズ」を立ち上げる。最初は仕事もなかったが、一度成功したことで次々と依頼が舞い込んでくる。やがて、NYを破壊しようとする破壊神と対決することになる。

 

 【感想】

 お気楽コメディでした。リメイクもされるようで鑑賞。本当に何にも考えないで見るのが最適な映画です。三人組の個性もさることながら、ゴーストのかわいらしさや敵のなんとなくドジなところや意外と世界の危機レベルなのにゆるーく戦っている感じが夕方からやっていたアニメのような感覚です。こっちが元祖ですね。

 

 とりわけ思ったのが、「戦っているのがオッサン」ということです。何かで「アメコミヒーローはオッサンだけれど、日本のヒーローは子供が多い」みたいな感じですね。確かにスーパーマンバットマンも大体オッサンです。特にバットマンはかなりこじらせたオッサンです。個人的にバットマンの映画は悪役のはっちゃけぶりを楽しむ映画で、バットマンが「俺は何のために戦っているんだ、復讐とは善悪とは」みたいな葛藤をしているパートはおまけだと思ってるんです。特に「フォーエバー」はそうだなぁと。悪い鑑賞法ですね。

 

 そんなわけで、ゴーストバスターズが世間的に冴えないオッサンと言うのが面白いです。インチキ研究で大学から追い出されて、めげずに会社を設立すると言うのが偉いと言うか、オッサンパワーだなぁと思ったのです。日本の少年だったらこの逆境にたどり着く前に悪霊に憑りつかれて世界を破滅させて回りそうだ。

 

 そして映画の説得力ってすごいなぁと思いました。「なんか知らんけど強そうなビーム」っていうアイテムに特に説明がないのに「なんか強いビーム」として機能している。こういう強引な話の進め方って大事だと思うんですね。それよりもコメディって意外と「暗黙の了解」みたいなのが多いのかもしれない。そう考えると、やっぱり映画って観客の訓練が必要なのかもしれない。