傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ネオン・デーモン」

 おまえうまそうだな

 

 

【あらすじ】

 ジェシーはその美貌でトップモデルになるためにロスへやってきた。すぐにカメラマンやデザイナーに気に入られるが、同業の女性からは嫉妬の目で見られる。そしてファッション業界の暗部の深みに嵌まっていく。

 

【感想】

 ポスターがキレイで面白そうだなと思ったので見てみました。露悪的な内容とは聞いていたのである程度覚悟を決めて見てみたのですが、なんか想像以上でした。

 

 この映画ブログの人の特徴として、気になった映画の前情報やあらすじは極力見ないようにして映画を見るという癖があります。ひとことで紹介した「ファッション業界でシノギを削る女の戦い」みたいなのをマイルドに想像していたら、結構ドギツイ奴でした。勝手に「待望の新人!」「なによむかつく!(靴に画鋲入れる)」「何するのよ!(SNSで怪情報を流す)」くらいの奴だと思っていたら、結構この辺ガチでした。ほのぼの女の戦いを想像して見たらアカン奴です。ちゃんと「グロ注意」と書いておかないと、ぷんぷん(いやちゃんと調べないで見るから……)。

 

 そんで華麗な前半のファッション事情みたいなのが終わると、いよいよドギツイ描写の始まりです。直接的なシーンはないものの、「ああヤッチマッターだな」という描写が続きます。しかしかなり観念的な世界にイッチマッタ感じなのでただぼんやり見ているだけだと「??」という感じです。まぁ部屋にでっかい猫がいる時点で不思議の国のアリス的なアレだよなあという感じはしていたけど。月が昇る部屋で致してるのは「うわぁ」という感じです。うわぁです。

 

 そしてラスト。いきなり目玉を生み出して「丸尾かな」とか思いながらもなかなか冷ややかな終わり方だと思いました。人を喰った末路が中から罪悪感(?)に苛まれて潰れていくけど誰も彼女を心配していないっていうのがちょっと怖いなと。誰も他人を人として扱っていないというか、思い通りに動くモノかなんかだと思っているようなところがリアルなのか虚構なのかわからないのもグラグラして怖いなと。

 

 ポスターがキレイなので見ようと思ったけど、ちょっと想像と中身が違っていい意味で期待外れな作品でした。もっと人間的な話も見たかったなぁと言うのは欲張りの感想ですね、はい。