感想「沈黙の監獄」
おおスティーブ・オースチンじゃないですか!!!
【あらすじ】
閉鎖寸前の刑務所を舞台にセガールとスティーブ・オースチンが悪い奴らをやっつける。
【感想】
今回共演するのはあの『エクスペンダブルズ』にも登場しているスティーブ・オースチンです。「見た目がわかりやすく強そう」という元プロレスラーの大味なアクションは見ものです。
実はセガール映画が好きなのはアクションもそうなんですがこの全てにおいて「大味」なところが大好きなんです。最近はやれ感情移入がどうの、伏線がこうのと映画を見ながら考えることがいっぱいです。それも楽しいのですが、「俺、良い奴、お前悪い奴、俺お前やっつける」みたいなストーリーも楽しいです。「何故セガールが日本で人気なのか」みたいな考察があったのですが、とても興味深いです。
そして、もう一つの理由として挙げたいのは見る側が安心感を持って見ることができることだ。基本的にセガール作品は勧善懲悪。警官やFBI、軍人、スパイなど、アクション・ヒーローを演じながら、得意のマーシャルアーツで悪を蹴散らす爽快さ。どんなピンチに陥ろうと、この人は顔色一つ変えず、それを乗り切り、最後には勝利を手にする。ワンパターンと言ってしまえばそれまでだが、見る側には『水戸黄門』の印籠にも似た安心感を抱けるのだ。
つまり、セガール映画は水戸黄門だったり、現代の歌舞伎っぽいところがあるなぁと思うのです。基本的にセガール映画って悪そうな奴は本当に悪そうになっていて、セガールが出てきたら「よっ待ってました!ポンポンポン!」みたいな感じで最後にボカスカと謎の格闘技で大見得を切ってなんか美女と絡んで終了、みたいなわかりやすいところがいいんです。
今回の『沈黙の監獄』では敵は交渉のために指を切り落としたり容赦なく殺したり、なかなか悪者としてたっぷり「悪」の匂いをまとっています。悪い奴がいるならやっつけなきゃ! という感じが見ている方にも伝わってきます。
そして予定調和のようにオースティンにやられ、セガールにボコボコにされる悪党のボス。セガールを前に防弾チョッキを脱ぎ捨てて肉弾戦で倒してやると言うのはどう考えても死亡フラグです。そういう歌舞伎のような「メタ視点」も楽しみどころのひとつでもあります。
CIAの裏金がどうのとか、そういうのは刺身のツマみたいなものです。最終的に正義と平和と美女を救えば万々歳。それでいいんです。画面と演出が派手でストーリーがシンプル、そういう映画も楽しいです。