傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ホステル2」

 年末に一気見したホラー映画のラストは、とっても続編が見たかったコレにしました。

※過激な内容が含まれますので注意してください。

 

ホステル2 [DVD]

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【あらすじ】

 前作で拷問殺人クラブ命からがら逃げ切ったカレは、やっぱり口封じに会う運命だった。そんな殺人クラブのビジネスライクを裏側からたっぷり堪能しようというのが今作。今回の獲物は莫大な親の遺産を継いだしっかり姉さん、イケイケなゆるふわねーちゃん、夢見るモサい系女子の女三人組。彼女たちがホステルにチェックインしたとき、世界中の会員に向けて新しい獲物についての情報が一斉送信されて「入札」が開始されるのであった。
 

【感想】

 やっぱりいいね、女の子はいいね。


 ダークネスカタルシスの面では種明かしをしなかった前作のほうが素晴らしいけれども、今作は殺人クラブの裏側に密着24時と言った感じでこれはこれで面白かった。全世界の会員を管理したり、獲物の入手特派員を全世界に派遣したり、獲物に傷がついているといけないのできれいにしてあげたり、獲物を捕まえるためにわざわざスパを閉鎖したり、獲物が手に入るまでゴージャスルームで会員を接待したり、獲物の始末をしたり、大量の殺人わんこを飼育したり、新規会員が「刺青はやだー」「やっぱ殺すの怖いもん」と駄々をこねるのをなだめたり……大変だなぁ。

 さて今回の拷問シーンは前回のむっさいぶちゃびちゃな情緒のない切断動画ではなく、それなりに趣深く作ってありました。モサい系女子の見せ場は、どう見ても某バートリーさんの生血風呂でした。こういうのは見せ方だけだったらゆるふわねーちゃんのほうがいいと思うんだけど、「生娘」を条件にしてあるのだったら仕方がない。そういう意味で無駄にモサモサした配役にしてあったら、結構考えて作ってると思う。

 そして今作のもうひとつの主人公、新規会員になってはしゃぐ男1とそれに引きずられた男2の物語が予想外にドラマチックだった。はしゃぐ男1は「俺は人を殺してビックな男になるぜぇ、フゥッー!」というノリに対して「いや、でもちょっと……」と気弱な男2。ところが土壇場になってゆるふわねーちゃんを電ノコで脅かしてるだけだった男1、手が滑ってねーちゃんの顔面血まみれに。「お、俺の求めていたのはこれじゃなかったんだな」と逃亡を企てるも「殺さなければ出て行けない」の規則発動でわんこの餌に。一方しっかり姉さんを捕まえて「僕、本当はこんなことしたくないし、できれば君のことを逃がしてあげたい」と一度拘束を解いてしまう男2。お前やる気あるのか? と思わせといて「実はやっぱり気が変わったかも☆」と拷問再開。激しく絶望に沈むしっかり姉さん。

 お前はよくわかっている。

 ところがここからこの映画の最大の見せ場。抵抗して立場逆転した姉さんがでっかいハサミを片手に男2の買い取りを要求。ハサミの先にはあられもない男性の大切な部分。駆けつけた男たちも「うわぁ……」な展開。「きみね、ここから出るにはね」と支配人が説得を試みるも「わかったわよ」と大事な部分ちょん切りショー。これには駆けつけた男たちも「ひえぇっ!」という表情。切り取られた部分はわんこがおいしくいただきました。個人的には「わんこそればっちぃ!ぺっしなさい!」という感じでしたが。

 基本的に前作より拷問シーンに趣があったのでどちらかというと2のほうが好きです。ただ切り刻むのでは面白くないのですよ。もっとこう、追い詰められてうわああああっていうのがいいんですよ。あと引き続き出てきたちびっこギャングが今作は相当ツボにはまりました。彼等だけで90分尺があっても余裕で見られるくらいこの「ホステル」の空気の隙間にはまっていましたね。ラストのアレも元気があってなかなかよろしい。

 「ホステル3は監督も違うしスロバキアじゃないらしいぞ」という噂を聞き、見るかどうか少し迷っています。でもここまで来たら見なきゃダメかしら。