感想「アメリ」
クリーム・ブリュレは割るまでが楽しい。
【あらすじ】
アメリは生まれつき両親の愛に恵まれず、妄想の世界で過ごしてきた。それがある出来事をきっかけに「他人を幸せにすること」に喜びを見出すようになる。ある日証明写真の収集をしている風変わりな青年に出会い、いわゆる「恋」に落ちる。しかし他人とうまくかかわれないアメリは彼に遠回り過ぎるアプローチを始める。
【感想】
公開当時話題になっていたのですが、これは大人になってから見たほうがいい映画でしたね。コドモにはちょっとわからないことが多いですね。フランスらしいといえばフランスらしい映画。全体的にシニカルなシナリオに、カラフルでオサレな映像。そしてアメリの突拍子もない心象風景が観客を置いてきぼりにしていく。
アメリがアパートの鍵を使って他の部屋の住人にいたずらを仕掛けていくところは現代人が見ると「ちょ、不法侵入!」と思うシーンもありますが基本的にたわいのない(実害はあるけれども)いたずらばかり。これもアメリのキャラクターが強烈なのでアメリばっかり追いがちだけどガラス男やニノの趣味も面白い。
だから、どちらかというと雰囲気映画。何が妄想で何が現実かとか、ストーリーがどうとか、そういうの関係ない。ただアメリが何をしたいのかを見ているだけでいい。ラストで二人がスクーターに乗っているのが面白かったけど、あれもアメリの妄想の世界じゃないよね?二人でスクーターってところが「ローマの休日」みたいでそんな暗示あったらヤだなとか深読み。
アメリの妄想で一番楽しかったのが、正義の味方を気取っているときにマスクをかぶってドアに「Z」の字を書いているところ。これが何を暗示しているのか、そろそろ年代的にわかりにくくなってきているのかなぁ。おしまい。