傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「アナベル 死霊館の人形」

見た目が既に怖いよ!

 

アナベル 死霊館の人形(字幕版)
 

 

【あらすじ】

間もなく赤ん坊が生まれるジョンとミア夫妻。ミアが好きなアンティーク人形をプレゼントされた夜、隣人夫妻が娘のアナベルとその恋人に惨殺される。警官がかけつけ、アナベルは自殺したがその血が人形に付着する。それから無事に赤ん坊は生まれてくるが、妙なことが起こるようになる。そして捨てたはずの人形が何故か手元に帰ってきて、怪異が本格化していく。


【感想】

もうね、ヴィジュアルから全力で怖いよ!

 

死霊館」シリーズなのですが、死霊館初代は「結局悪魔の棲む家だしなー」と適当に見て、エンフィールド事件は「きゃー異形ちゃんかわいいー!」とか思いながら見てました。

 

ぶっちゃけ期待値はめちゃくちゃ低かったです。それに「呪いの人形」という時点で話も見えているし、サスペリアとかオーメンみたいな悪魔系のホラーに恐怖を感じないのです。あとゾンビ系も何か苦手。

 

しかしこの「アナベル」は良い。恐怖演出を割合で出すと「悪魔のストーリー15%、ダンナの序盤のダメっぷり5%、アナベルのヴィジュアル80%」くらいアナベルのヴィジュアル依存しているけど、それがいい。話もすごく単純だからアナベル人形が怖いのがすごく引き立つ。


アナベル人形が主役なのでその他のことはどうでもいいんですけど、序盤のダンナの空気読めなさっぷりは面白かったです。夫婦の関係を違う視点で見ている人達からは絶賛されること請け合いのひどい言動が見られました。「どれどれ」と見てもその手の感性がないとこのポンコツぶりは堪能できないかもしれません。ただ残念なのが、ポンコツは序盤だけで終盤にはちゃんと問題に向き合うパパになっていたところです。ポンコツのまま最後まで行って欲しかった。


そんでアナベル人形がガオーってやってくるのですが、ひとつだけものすごく怖いシーンがあります。よくあるビックリ系の演出なのですが、なかなか上手で鳥肌が立ちました。これは怖いよ!


あとは基本的に「お人形怖い!」でおしまいなのですが、ラストがなんだか頂けないというか、なかなかモヤモヤする終わり方。キリスト教圏だと受け入れられるんだろうか。


とにかくアナベルのビジュアルで乗り切れるなかなかよい映画でした。この映画を見たあと本物のアナベル人形の画像を検索してガクブルしたり、ついでに見ちゃったロバート人形の画像を見て夜眠れなくなったとか、そういう映画の外にも面白さがあった映画でした。個人的にロバート人形はトラウマレベルです。人形の由来なんかも見ちゃうともうダメ。映画より現実のオカルトが怖い。当たり前ですね。おしまい。