傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「13日の金曜日」

 全てはここから始まった。

 

 

【あらすじ】

  クリスタルレイク付近のキャンプ場でキャンプ指導員の男女二人が殺される事件があった。事件をきっかけにクリスタルレイクのキャンプ場は閉鎖されたが、それから数年後再開される。しかしそこへやってきた指導員候補生が何者かに殺害されていく。どうやら事件の裏には昔この湖で行方不明になった少年が関係しているらしい。

 

 【感想】

 13日の金曜日といえばジェイソン。ジェイソンと言えばホッケーマスクにチェーンソー? みたいなイメージですよね。だけどこのイメージ間違ってるんですよ。びっくりですよね。チェーンソーを使っているのは「悪魔のいけにえ」シリーズの殺人鬼レザーフェイスです。ジェイソンは斧とかナタとかいろんな武器を使って攻撃することで有名です。あと日本では志村けんのパロディでチェーンソーを使用したからだという説もありますが「ジェイソン=チェーンソー」は日本以外でもあるようで「どうしてこうなった」感はかなりありますね。

 

 ただ、このシリーズちゃんと見たことなかったんで今回しっかりと見ることで「ジェイソン=チェーンソー」よりもっと根深い「13日の金曜日」の誤解を知ることが出来ました……。

 

 1作目ってジェイソンほとんど出てこないのね……。

 

 ジェイソンが湖で溺れた男の子というのは「フレディVSジェイソン」で知っていたのですが、まさか1作目でほとんど登場しないとは思っていませんでした。じゃあ1作目の殺人鬼は誰なんだよ! ということなのですがこんなところ読んでいる人はもうご存知だと思うので書いちゃうと「ジェイソンの母ちゃん」じゃないですか。

 

 要はこの映画、「うちの息子がキャンプ場で溺れたのは指導員がセックスしてたから!指導員はセックスしかしない!ムチュコタンの仇!死ね!」っていう話なんですよ。指導員候補生としては「んな理不尽な」って話で殺されたらたまったもんじゃないって奴です。そう言えば金田一少年の事件簿に出てきた「ジェイソン」の殺害動機も相当理不尽だったなぁ……ジェイソンは理不尽。

 

 この映画は「若い男女がイチャイチャしていると殺人鬼がやってきてぐちゃ」みたいなテンプレを様式美に高めています。公開年月日確認したら「ハロウィン」の方が少し先でしたが、ハロウィンは「イチャイチャしてるから殺される」よりも殺人鬼の不気味さの強調という感じで、どちらかというと「殺人鬼怖えええ」という感じです。だけど「13日の金曜日」は最後まで殺人鬼の姿がスクリーンに映らず、ひたすら若者がぼんぼこ血祭りにあげられていくという感じです。「次はどこから来るのかなー」と画面の前でワクワクできる脳トレ的な見方も出来ます(ゲスい)。

 

 そもそも何で「ホラー映画ではイチャイチャしていると死ぬ」のかって考えたのですが、観客の感情を考慮しているのかなぁという結論になりました。同じく死ぬのであれば「初っ端からセックスしてる奴」と「真面目な良い子ちゃん」だったら前者の方が良心が痛まないと言うものです。それをうまく利用したのが映画「キャビン」なので「ホラー映画とは」と考えるときにやっぱりこの映画は元祖になると思うのです。

 

 いっぱいシリーズあるので少しずつ見れるときに見ていきたいです。今の時代に見ると「これ見たことある」って感じで飽きてしまうかもしれませんが、そういう奴のオリジナルだと思って古典鑑賞という気分で見たほうがいいですね。ホラーも進化したもんだ。おわり。