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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

 シザーハンズから続く命題のひとつの答え。

 


ティム・バートンのダークファンタジー!『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』予告編

 

【あらすじ】

 祖父エイブの変死を疑問に思う少年ジェイクは、かつて祖父が身を寄せていたと言う児童養護施設を訪れる。そこには常識では考えられない人々が暮らしていると祖父は言うが、周囲はおとぎ話であると信じるジェイクを心配する。ジェイクが施設を訪ねると既に施設は戦時中に焼け落ちていた。落胆するジェイクの前に、祖父から伝え聞いていた「奇妙な子供たち」が姿を現す。

 【感想】

 公開終了ギリギリで見に行って、それから忙しくて感想書けないでいたので今書いておきます。

 

 結論から言えば、本作はティム・バートンの怪奇ノリを建前にしたSFアクションだったということです。時間ギミックは普段からタイムパラドックスものを見ている人じゃないと話に着いていきにくいと言う欠点があって、今回はかなり込み入った時間軸が展開されていたのがちょっと難しかったかなと思った。映画終わった後後ろで「ねえねえ最後は結局どういうオチだったの?」という談議になっていたのでやっぱりわかりにくいということは否めない。

 

 でもそれ以外は非常に面白く観ることが出来ました。ティム節前回の不気味な映像に思いのほか派手な戦闘シーン、それに魅力あるキャラクター。もうそれだけでお腹いっぱいです。ただ、面白くなるまでじわーっと時間がかかるのがちょっと上級者向けのような気がしないでもないです。

 

 ただ、全体的に漂う「異形者」としての子供たちの様子はティム・バートンの映画の中でずっと流れていた「異形者の悲哀」に対するひとつの答えのような気がしました。『バットマン・リターンズ』あたりは結構モロにやっているのですが、どうしても主役はバットマンなのです。その点が更に凝縮されているのが『シザーハンズ』で、シザーハンズが幸せになるためにはどうすればよかったのか、多分その答えは今でも見つかっていないのではないかと思うし、これは永遠のテーマって言ってもいい。

 

 そこに与えられたひとつの世界が『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』で、奇妙なものは奇妙なもの同士で集まれば寂しくないよ! という何だか斬新な結果になっていた。周囲から疎まれるジェイクことシザーハンズは同じ仲間の元で生きることを決め、壮大な旅に出るわけです。ひとりで姿を消したシザーハンズと違い、彼はひとりぼっちにならないために姿を消すのです。この辺の「物語の外」の事情に何だか深いものを感じていました。

 

 そんなティム・バートンが「異形者の悲哀」を「コンプレックスの転換」として評価されている『ダンボ』を実写化しているというのだから、何だかオラ今からワクワクしてきたぞ! すっごく楽しみだなぁ。