傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五エ門」

 未熟なり、五エ門……

 


「血煙の石川五エ門」PV

 

【あらすじ】

 ヤクザの賭博船から掛け金を根こそぎ強奪しようとするルパン一味。ちょうどヤクザの用心棒をしていた五右エ門はルパンの抹殺を命じられた「バミューダの亡霊」ことホークと対決するが、超人的なパワーの前に彼を取り逃がす。「親父の仇を取ってこい」と突き放すヤクザの若頭に「元より」と五右エ門はホークとの再戦を誓う。

 

 【感想】

 小池ルパンの次回作の五エ門スピンオフなのですが、前回は次元が次元だけで頑張っていたのに対して今回はルパンファミリーが全員出てきたので何ともほっとしているところです。ちゃんととっつあんの出番もたくさんあるので全国の銭形ファンは安心してください!

 

sidelinea.hatenablog.jp

 

 今回の主役は五エ門で、対決するのはもう人間やめてるでしょうと言った感じの『バミューダの亡霊』ことホークなんだけど、これが面白い。五エ門が居合斬りなどのスピードで勝負しているのに対して、ホークは肉厚の斧を振り回すだけという圧倒的なパワーで押してくる。こういうメリハリも面白い。

 

 そして今回の舞台は日本のヤクザが取り仕切る賭博船から始まる。日本なんだろうけど、なんか日本っぽくない感じが良いです。何だろう、純和風というより攻殻機動隊とかキルビルみたいなアレンジジャパンって言う感じ。そして登場するヤクザさんはかなり気合入ってて、顔にケロイドあるのとかすごくいい。なんかこの辺のキャラデザだけですごくいいとしか言えなくなっている。

 

 話の内容は単純で、五エ門が頑張って強くなるお話です。ただ見どころは通常で最強レベルの五エ門がどうやって負けるのか、そしてどうやって強くなるのかというところです。そもそも五エ門ってルパン一味の最終兵器みたいな使われ方をしているというか、都合が悪くなると五エ門お願いしますってしておけばいいって感じがするじゃないですか。特に最近のテレビ版。

 

 だけど元から五エ門のキャラはかなりブレブレで、アニメ一期では不二子にデレデレしていたり、確か二期では泥棒をする理由のひとつに「うまいものもたらふく食える」と答えていたりルパン並みのお茶目な変装をしていることもしばしばだった。小さいところではこのように石川五エ門という人物が何なのかよくわからないが、一貫していることは「居合の道を究める」というところだろう。五エ門がルパン一味に加わったのは第一期によると「ルパンの生き方に共感した」かららしい。

 

 そんな五エ門が修行の果てに見つけたものは何なのか。それは劇場で確かめてほしい。話がどんどん進むのであっという間の一時間でした。多分事件の黒幕は『次元大介の墓標』にちょろっと出たあの人なんだろうけど、まだこのシリーズ続きそうで嬉しいな。次は銭形スピンオフかな?

 

 どうでもいいのですが、五エ門の傷口が時間が経って周りが青くなっているところに非常に感心しました。ただの亀裂ではない、というのが伝わってきていいですね。そういう細かいところも面白いです。おわり。