傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ユニバーサル・ソルジャー」

 母性をくすぐるヴァンダミングアクション。

 

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【あらすじ】

 ベトナム戦争中、発狂した軍曹によって襲われた村と小隊があった。そこで倒れた兵士たちを政府は回収し、極秘裏に改造を施して超人的な兵士「ユニバーサル・ソルジャー」として蘇らせた。そのうちの一体が当時の記憶を断片的に思い出し、作戦行動から逸脱してしまう。

 

 【感想】

 みんなが大好きジャン=クロード・ヴァン・ダムドルフ・ラングレンの汗臭い男臭い陰謀臭いドロドロした映画だよ! ちょっとだけロマンスもあるよ! 

 

 ……というのがこの映画の正しい見方だと思うのですが、とっても気になったのがヴァンダムの無垢な動きなんですよ。『レプリカント』でも思ったのですが、洗脳状態から覚めておろおろするヴァンダムが本当に無垢カワイイ。その幼稚な反応と相反するヴァンダミングアクションというギャップがこれまたタマラナイ。

 

 ずっと「ユニバーサル・ソルジャー」として活動していて、久しぶりにまともな食事を食べて「うまい!」という顔をするヴァンダム。なんとなく「赤ん坊に初めてアイスクリームを食べさせたら」という動画を思い出すくらい「なんだこれは!」という表情がいい。ヴァンダムを全力で守ってあげたくなるような、そんな感じだ。どっちかというと守られる側なんだろうけど。

 

 あとはやっぱり悪役のドルフ・ラングレンもいいですね。耳を切り取ってうひゃひゃってなっているところがもうリアルすぎて目も当てていられない。確か実際にベトナム戦争時には耳とか指とかコレクションしている人がいたみたいですね。戦争怖い。

 

 しかも一度死んでいるので死ににくい「ユニバーサル・ソルジャー」になっているため、最終決戦でなかなか死んでくれない。決死のヴァンダミングアクションもあって「イヤー」な最期を迎えることになります。個人的に『コン・エアー』並に最悪な死に方だと思っています。ホラーに目を向ければこのくらいその辺にありふれているのでしょうが、アクション映画のラスボスとしての死にざまにしてはちょっとかわいそうだと思うのです。

 

 全体的に派手な演出が多くて、モーテルの壁をぶちぬいたり発電所に立てこもるテロリストを制圧したり壮絶なカーチェイスがあったりとアクション面でも楽しめるのですが、やっぱり「無垢ヴァンダム」に尽きるなあと思うのです。