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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ピクセル」

洋画 コメディ

 オタクのためのナードな物語。

 

 

【あらすじ】

 かつてアーケードゲームで世界チャンピオンになった少年たちも今は昔。冴えない電気工事士になっていたサムは突然昔なじみの大統領に呼ばれる。謎の飛行物体がグアムで基地を壊滅させたと言うのだ。サムはアーケードゲームの「ギャラガ」が攻めてきたという。どうやら昔宇宙に送り出したメッセージの中のゲームをしている様子を見て、宇宙人が「地球人が挑戦状を叩きつけた」と思ったらしい。サムは一躍地球を救うヒーローに抜擢される。

 

 【感想】

 国際線の飛行機の中で観たのですが、前評判とは裏腹に(大体吹き替えのせいらしいけれど)なかなか面白かったです。「オタク向けのTED」という感じでしょうか。小ネタが満載の「オタクTUEEE」な物語が小気味よかったです。

 

 そもそも、キャラクターの配置が「いかにも」って感じなのがいいです。昔ゲームチャンピオン、今は冴えないデュフフな中年男性が集まって何だかんだとやるのですから、面白くないわけがない。個人的にラドローのキャラクターがものすごく好きです。ゲームのキャラクター「レディー・リサ」を日本風に言えば「俺の嫁」状態でこよなく愛し、「もしもリサが実際にいたら」という自分とリサが抱き合うパラパラマンガを作るレベル。このシーンでこの映画の趣旨を理解した。これは物語にのめり込むのではなく、メタ視点で主人公たちと一緒にゲームを楽しむ映画だ。

 

 そういうわけでオタク達の痛々しい言動を昔のゲームを肴にして引き出していくのですが、主人公サムと大統領チューイーはそこそこノーマルなオタクなのに対してラドローとエディはイッちゃったタイプのオタク。どうしても日本ではオタクと言うとラドロータイプを想像するけれど、アメリカではエディタイプもいっぱいいるんだろうな。こういうところに文化の差を感じて面白い。

 

 そして映像ですがゲームの再現はかなり頑張ってます。オタクのぴゃーぴゃーした自意識がウザイと思ったらおしまいなのですが、それを無視すればこの映像を見るだけでこの映画の価値はあると思います。最後の懐かしキャラ総出演は「やると思った!」という予想を裏切らない素晴らしいものでした。

 

 確かにストーリーはかなりご都合主義だけど、それはオタクのポテンシャルを上げるための添え物でしかない。本当に見るところは「社会の底辺と蔑まれる俺たちが世界を救う」という意気込みだけだ。これの日本版も見てみたい気もするけれど、ムチャクチャ濃いものが出来そうだ。そして収拾がつかなそう。でも見たい。とりあえず面白かったです。