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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ハロウィン」(リメイク版)

洋画 ホラー

 ロブ・ゾンビ、あんた最高だ。

 

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【あらすじ】

 イリノイ州のハドンフィールドで、幼い少年が家族その他合わせて4人を殺害する事件が起こった。凶行に及んだマイケル・マイヤーズは15年の時を経て脱走。生き別れの妹を探しその辺の人を手当たり次第に殺していく。名作『ハロウィン』のリメイク版。

 

【感想】

 オリジナルもオリジナルで好きだけど、こっちもかなり面白い。多分今まで見たホラー映画の中で1、2を争うくらい好きな映画かもしれない。ただのリメイクじゃなくて今作オリジナルの場面もたくさんあるんだけど、ちゃんと旧作をリスペクトしている。それが非常に伝わってきた。

 

 旧作との一番の違いは、「マイケル・マイヤーズ」という人間をクローズアップしたところだと思う。旧作でマイケルは姉をさくっと殺して、それからすぐに女子高生のイチャイチャパートに入ってしまったけれど、今作は「どうしてマイケルが人殺しになっていくのか」の過程が詳しく描かれている。

 

 ストリップ劇場で働く母親に、足をけがして働いていない飲んだくれの内縁の夫。アバズレの姉が彼氏を部屋に連れ込んでしけこんでいる間、赤ん坊の妹は置き去りに。そんな家庭環境で育ち、お面を被ってネズミを殺すことでストレスを解消するマイケル。そしてそんな彼の家族をからかった同級生を木の枝で撲殺して、酔っぱらって眠り込んだ内縁の父を椅子に縛り付けて頸動脈を切りつけ、更に姉とにゃんにゃんしてた彼氏を金属バットで撲殺すると姉を包丁でメッタ刺しにして殺害。その後入れられた医療少年院(?)で面会に来ていた母親の目の前で看護婦の首にフォークを突き立て、その凶行を目の当たりにして絶望した母親は自殺。

 

 このくだりがなかなか悲惨で、どこにも出口がないように見える。更に仮面が好きなマイケルがとにかく不気味で、素顔を適度に映しながら仮面を被る様子もしっかり映っていて、面白い。

 

 そして脱走シーンは本格的にぶち殺していて面白い。マイケルを何かと気にかけた看守にも容赦はなく、「あんたに親切にしてやったのに!」と言われながら水責めにした後上からテレビを投げつけて殺害。こいつはルーミスの言うとおり「生死も善悪もない」のかもしれない。

 

 そして妹のためにハドンフィールドに戻ったマイケルなのですが、旧作と違って妹ローリーも少し弾けた性格になっていました。友達のお股のゆるい話にもきゃっきゃとして乗っかり、ハロウィンの夜もベビーシッターがあるという点では話の流れは一緒。

 

 でも大幅に違うのが、マイケルが昔の自分の家に行って隠しておいたマスクを被るところ。なんとなくマイケルが「行き当たりばったりの殺害者」ではなく一人の人間として物語を遂行しようとしている感じが伝わってきました。そこで旧作と同じようににゃんにゃんしている友人を殺害。映画の中でセックスしている奴は大体死ぬのです。

 

 だけど驚いたのがローリーの育ての親を殺害するシーン。本当に脈絡なく現れて、ただびしゃっと殺しておしまい。さっき「マイケルも人の子」とか思っていたのが全て台無し。やっぱりこいつはモンスターなんだ。

 

 目当てのローリーのために育ての親を殺し、警官を殺し、殺して殺して何とかマイケルはローリーをさらうことに成功したけれど、そこからが本当に切ない。マイケルは「人を殺す」ことでしかコミュニケーションがとれなくなっていたのかもしれない。かつて母からもらった写真をローリーに見せて、仮面もはずして声なき声で訴えるけれどローリーには何のことかわからない。「あなたを救いたいけれど、どうすればいいかわからないの」と拒絶される。この辺のオリジナルシーンは象徴でしかないけれど、本当に救われない「マイケル・マイヤーズ」という人間の物語があっていい。

 

 最終的にルーミスも殺してしまって、逃げるローリーを天井モグラたたきという手法で一気に追い詰めるけれど、旧作と同じようにベランダから転落する。そこからのラストシーンが本当に見事。これは実際に見てもらいたい。

 

 そんなわけで、「マイケル・マイヤーズ」にしっかりと物語を持たせたこの作品は非常に面白かったです。ただ詳しいお話が付属しただけでなく、仮面のコレクションとか悲鳴の恐怖心とかそういうのもしっかり取り入れられていて、非常に面白かったです。続編もあるので是非見たい。ロブ・ゾンビが好きになった。続編も見たいなぁ。

 

 

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