傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「ハロウィン」

 今年のハロウィンはハロウィンを観ることにしました。

 

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【あらすじ】

 イリノイ州ハドンフィールドで、10月31日に6歳の少年が実の姉を刺殺するというショッキングな事件が発生した。少年マイケル・マイヤーズは収監され、彼の担当医のルーミスは「彼は危険だ」と訴えるが相手にされない。それから15年後、マイケルは脱走し仮面を被った殺人者としてハドンフィールドに降り立った。

 

【感想】

 名高い殺人鬼ブギーマンのオリジナルを見たことがなかったのでワクワクしてみました。それほどショッキングな映像があるわけではないのですが、恐怖映画として非常に面白かったです。やはり名作の冠は伊達ではない。

 

 お話は6歳の少年が実の姉を刺殺するところから始まります。それから精神鑑定や何やらがあって、ルーミス医師が「非常に危険」という中、目立った行動をしないマイケルは大人しく収監されているふりをし続けます。そして15年の年月が経った日、彼は脱走します。実家、そして死んだ姉に執着しているマイケルはハドンフィールドに舞い戻ります。

 

 もう不穏しかないマイケルパートが終わると、打って変わってもう一人の女子高生のローリーパートが始まります。友達同士で呑気にハロウィンの夜は男友達とどうするこうするという話で、真面目なローリーはそんなお股がゆるそうな話に若干引き気味。大人しくベビーシッターのバイトをしている予定でしたが、いわゆるイケイケな友達から何だかんだと言われてしまいます。

 

 この時点でなんとなく「そういえば『キャビン』で最初に殺されるのは娼婦属性って言ってたなぁ」と言うのを思い出してたら、第一目標のはずのローリーを飛ばしてやっぱりサカってる女が最初にターゲットにされるのですね。何だろう、やっぱり淫売はぶち殺すっていう価値観なのかなぁ。

 

 そしてあんまり血がびしゃびしゃじゃないのに襲ってくるマイケルが本当に怖い。人間なんだけど、「本当に人間?」という怪物っぽさがたまらない。それを必死で追いかけるルーミスがいるから、観客も「マイケル止めてー」というサスペンス要素でどんどん追い詰められていく。そして子供たちとローリーが一緒にいるところにマイケルがやってくるところが恐怖の臨界点。子供の邪気のない叫び声が本気で恐怖を煽るのです。

 

 追いかけっこの末にルーミスに撃たれるマイケル。ところがその死体はどこにもない。こうしてマイケルは本物の「怪物」になってしまったのでした……という終わり方。「マイケル退治! よかった!」という感じですっきりと終わらず、あえてじんわりと恐怖が広がるように終わっているのが面白かったです。

 

 そして何より音楽がカッコイイ。

 


Halloween theme (1978) - YouTube

 

 やっぱりテーマソングって大事。この曲がかかるだけでテンションが上がる。次はリメイク版を観るよー。