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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「セブン」

洋画 サスペンス

 『マーターズ』がレンタル中だったからムシャクシャして借りた。後悔はするためにとっておく。

 

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【あらすじ】

 都会で発生した奇妙な殺人事件。肥満体の大男が無理矢理食べることを強制されて死に至った。捜査をするのは退職直前のベテラン刑事と、この前赴任してきたばかりの新人刑事。やがて同一犯によると思われる事件が発生し、犯人は「暴食」「強欲」など「7つの大罪」に見立てて犯行を重ねていることがわかる。

 

【感想】

 うっすらとオチは知っていたのですが、それでもやっぱり辛いラストだった。というか、割と最初から「リーサル・ウエポンっぽい」というのが頭から離れず、途中で犯人がベラベラ喋るあたりで「リーサル・ウエポン2なんだな!?」という疑念が生まれ、見事にリーサル・ウエポン2的なアレだったわけで、なんていうかメル・ギブソンがチラチラしていたわけですよ、ええ。

 

 全体的に猟奇殺人を追う刑事ものとして面白かったのです。「死ぬほど食わせて殺す」というのが最初に来ているのもなかなかインパクトがあってよかったです。それから退職直前のベテランが新人にいろいろ言いながらも新人を認めていくと言うのも展開としてはありがちなんですが、ベタで好きです。

 

 なんというか、「君のせいで計画を変更した」という趣旨の連絡をわざわざよこすということは、まぁ家族に対して何かしらの何かがあるというサインだと思っているのでオチを知らなくても多分予想くらいはできたんじゃないかなぁとは思っています。また捜査だけをとりあげればいいのにわざわざ家庭内の事情を見せつけてくると言うことは、その家族が何かしらのピンチになるわけです。

 

 とりあえずラストなのですが、何故ミルズは撃ってしまったのかと言えばそれで終わりにしたかったからじゃないのかなぁというのがあります。何が起こったかを理解した時の表情、それから咄嗟に引き金を引きそうになった時の激情と、その後のしばしのためらい。空しく流れるサマセットの説得。「さあ撃て」とばかりの犯人の表情。多分最初の激情で引き金を引いていれば、それはまさしく犯人の思うツボで、怒りに駆られての衝動だったと思うのです。でも、ミルズはそのことも分かったうえで、引き金を引いた。その「憤怒」は犯人の考えるところのもっと上のところにあったと思う。それは胸を撃たれて亡くなった同僚のところや、犯人に無惨に殺されていった人々など自分勝手なものではない「神」としての怒りだったのではないかと思うのです。

 

 犯人は死に場所を求めていたのだと思うのです。でも自殺は罪なので出来ない。だから誰かに殺してほしい、自分よりも強い決定権を持つものに身をゆだねたい。そんな衝動が他の怠惰であり罪深い者たちに向けられた結果があの一連の事件で、実際は捕まって絞首刑にでもなりたかったのかもしれません。でも、そんな自分にピリオドを打つのを自分を追い詰めた刑事にしてほしかった。感傷的な気分で考えるとそんなところでしょうか。

 

 全体的な感想は「これがブラピじゃなくてメル・ギブソンで、個人でなくて組織的なものだったらズッタズタのボッコボコになってただろうなぁ」というのが一番です。メル・ギブソンは『マッドマックス』でも『リーサル・ウエポン』でも恋人や奥さんを殺されていてかわいそう。

 

 よし、来週は『マーターズ』見るぞ!