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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「キャビン」

洋画 ホラー
 これはホラー映画ファンなら感想めぐる前に問答無用で見たほうがいい作品。

キャビン [DVD]
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【あらすじ】

 週末を従兄弟の別荘で過ごす学生5人組。ところが別荘に向かう途中に怪しい老人がいたり、いざついた別荘にはマジックミラーがあったり怪しい地下室があったりとおかしなことが起こる。それでも気にせず楽しんでいる彼らに不気味な影が忍び寄る。実は彼らを監視している集団があって……。
 

【感想】

 真面目に見る予定があるならば感想は見ないで先に作品見たほうがいい。そのほうがとっても楽しい。以下ちゃんと感想書くよ。


 この映画は簡単に言うとホラー映画の定番をおちょくる映画です。まず冒頭でわざわざ金髪にして彼氏といちゃつく女性が登場する時点で死亡フラグ立ちまくりです。そしてマジックミラーで着替えを覗けちゃうとかオオカミのはく製にキスするとか謎のエロシーンのあと、いよいよ惨劇の幕が切って落とされるのです。

 そもそもこの別荘は全て仕込で、出てくるゾンビも全て仕込。森の中でイタしている金髪とマッチョを殺す時も「おっぱいが見えてから」とか、別荘に戻ってきたマッチョが「みんな離れずに行動するんだ」という理性的な判断をしたら何らかのガスを流して「やっぱり手分けをして鍵を閉めよう」とか「お約束」のための行動が面白い。

 すべては「お約束」のための地下組織のせいなのですが、別にここまでこだわらなくても儀式のためだったらどうにでもなるんじゃないの? どうしてそんな回りくどいことをするんだろう? っていう疑問がわく。どうでもいいけど日本支部の失敗したなんちゃってJホラーを見て「くそったれ!」とわめくシーンは割と好きです。あれだと『リング』っていうより『学校の怪談』だよなぁ。

 この映画の最大の山場はやっぱり終盤の化け物大集合です。itのピエロや貞子っぽいのに加えてアナコンダとか各種ゾンビとかがリミッターなしで暴れまくります。もちろん割ときつめなスプラッターなのですが、何故か面白い。エレベーターが「チーン」と鳴って「ぎゃー」という「チーン」「ぎゃー」のコンボが笑わせに来ています。ここで笑えるか笑えないかというのでホラーに向いているかいないかがわかると思う。ある意味踏み絵みたいなシーン。

 そしてラストなのですが、まさかのシガニー・ウィーバーと伏線のゾンビ少女が面白くて最後まで見入ってしまいました。そして最後の「実は従兄弟なんていなかったんだよ」というシーンで『来ないよ!家庭教師』のオチを思い出しました。こういう途中までハチャメチャやって「実は~だったんだよなぁ」というラストは好きです。

ギャグマンガ日和―増田こうすけ劇場 (巻の6) (ジャンプ・コミックス)
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 あと「いにしえの神」の正体ですが、これは多分「定番のホラー映画を楽しみにしている製作者や観客」の暗喩だと思いました。あの大きな手はテープを壊したり再生機器を止める手のイメージなんでしょう。どんなに映画の中で人が死んでいても、気に入らない映画は見ないしなかったことにしようという観客側のエゴの塊じゃないですかね。似たような恐怖は『かまいたちの夜』に似たようなエンドがあったので未だにトラウマです。「実はこの世界自体が虚構で、観測者の意図しない行動をしたから壊される世界だったら……」という話は嫌いじゃないです。でもこの辺深読みしすぎなので参考にしないでください。

かまいたちの夜 特別編
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