傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「トム・ヤム・クン!」

 トニー・ジャー! トニー・ジャー! トニー・ジャー

 

 

【あらすじ】

 幼いころから象とともに育った青年カーム。ところが国王に献上するはずの象がとある陰謀により国際密輸組織に盗まれてしまった。カームは象を取り戻すために単身オーストラリアへ行き、マフィアと死闘を繰り広げる。


【感想】

 トニー・ジャー! トニー・ジャー! トニー・ジャー

 


映画『トム・ヤム・クン!』予告

 

 もうね、すごいという言葉しかない。ストーリーはどうでもいいくらいシンプルでツッコミの余地もないくらいで、トニー・ジャーのこれでもかというアクションを堪能し続けるだけの映画です。本当は「マッハ!!!!!!!!」見たかったんだけどちょうどおいてなくて、こっちを先に見てしまいました。話としては独立しているし、まあいいかなと。


 アクション映画ってアクションがバキバキならストーリーとかどうでもよくなるのが面白い。もともと動く絵を見せるのが大事な映画にとって、アクション映画は相性がいいのかもしれない。ただ、動機が「象を連れ戻す」というのがシンプルだけど面白い。現地で味方になった人に「さらわれた兄弟を取り戻す」と説明して「そうか……弟さん、無事に見つかると良いな」という擦れ違いが妙に笑いを誘います。


 この映画の見どころはやっぱり「全編ワイヤーなし」「4分以上のワンカットで階段をのぼりながら次々と雑魚敵を蹴散らしていくシーン」「カポエイラや剣術などの異種格闘技戦という激しいアクションシーン。特にワンカット長回しのシーンは臨場感たっぷりで「大丈夫この人?」と心配になるくらい。このシーンはジャーだけでなく他の雑魚役も一回で成功させないといけないので撮影する側も緊張したそうだ。

 

 個人的にお気に入りのシーンはカポエイラの使い手との一騎打ちシーン。足を主に使うくらいしか知らなかったのでカポエイラの動きをじっくり見れたのがよかったです。ムエタイもキックを多用するけど、カポエイラのほうが足さばきはバリエーションが多い感じでした。あと「カポエイラ→剣術→プロレスラーの大男」とどんどん出てくる刺客がパワーアップしてくる感じが「カービィの中ボス連戦」に似ていて最後の大男乱入シーンで結構笑えました。


 とにかくバッキバキのアクションの連続で、悪役サイドも本当にベタベタな悪役で好感度MAXです。でも、完全ハッピーエンドじゃないというところがまたいいのです。専門用語でいうところの「イヤボーン」発動したトニー・ジャーのキレッキレのアクションがまた味があります。うう、最近バキバキアクション見ていないから見たくなってきた。「マッハ!!!!!!!!」があったら見たいよう。