傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「逆転裁判」

 異議あり! 正直この作品を実写化して誰得だと思ったんですか!?

 

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【あらすじ】

 ちょっと違う裁判制度の日本の話。新米弁護士成歩堂龍一(なるほどうりゅういち)は先輩弁護士綾里千尋(あやさとちひろ)から「とある事件の証拠を手に入れた」という話を聞いたあとに、事務所で千尋が殺害されているところを発見する。被疑者として千尋の妹真宵(まよい)が逮捕され、成歩堂は彼女の弁護を引き受ける。しかしその事件は敏腕検事御剣怜侍(みつるぎれいじ)が担当することになり、さらに千尋の手に入れた「とある事件」も時を越えて動き始める……。


【感想】

 まず、原作ゲームファンでごじます。1~3は何回もプレイしていますが、4以降は主人公が変わって手を出していないへタレであります。一応「蘇る~」はプレイしましたがタイホ君の不気味さと中毒性のあるBGMしか覚えていません。特に「3」の音楽が大好きで、仮面☆マスクとゼニトラのテーマが大好きすぎてサントラ買ったくらいです。


 で、映画ですが「ここまで再現するとは!?」という感じです。どうみてもコスプレ集団が跋扈する恐ろしい司法界が不気味です。特に御剣のヒラヒラ衣装を忠実に再現したのはある意味話題性があっていいんじゃないでしょうか。でもゲームやってない人にはひたすら不親切な映画です。なんでヒラヒラしている人が偉そうにしてんの!?という感じでしょう。でもゲームではわかりにくい裁判の仕組みが説明されていたことは良いポイント。何が何でも3日で裁判を終わらせるというところに緊迫感を持たせないとどうしようもないですからね。


 見どころはレギュラーキャラの再現性もそうなんですが、映画版にアレンジされた人々が個人的に割とぐっときました。小中大(こなかまさる)はもはや別人になっていたのですが、松竹梅世(しょうちくうめよ)と組み合わせたキャラになっていたので仕方ないかな、と。ただでさえ漂っていた成金感がまんま小物になった感じが「おお映画オリジナル」という感じでした。


 最大のアレンジキャラは何と言っても灰根高太郎(はいねたかたろう)でしょう。ただでさえ原作でも悲しいキャラクターなのに、監督の意地悪のせいか趣味のせいか、何重にもひねくれてかわいそうなキャラクターになっていました。「サユリさん」のことも原作ではさらりと紹介していただけなのに、映画ではガッチリ描いちゃうもんだからおちゃらけた空気が一気にホラーになっちまっただよ。しかも配役が小日向文世ということで、影のある男キャラが強調されてこのパートだけ90分見ててもいいかなーと思いました。


 全体的に原作のギャグシーンも取り入れたり、「くらえ!」のシーンは本当にビジュアルをぶつけてくる演出をしていたりと「ゲーム原作」感がバリバリで、「逆転裁判」見ていない人にはちょっとついていけないかもしれません。でもストーリーは原作で保障されているのでゲーム演出が許せる人は見てもいいかもしれません。あと御剣役の斉藤工がイメージまんまの雰囲気だったのでみっちゃんファンは見るべきだと思いました、まる。