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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「地球が静止する日」

洋画 SF

 キアヌはマトリックスの世界に永遠にいればよかったんだ。

 ※「レビュー依頼」で視聴させていただいた作品です。 

 

 

 【あらすじ】

 突如地球に隕石が襲来するということで、宇宙生物学者のヘレン博士らは秘密裏に国防省によって召喚される。ところがやってきたのは謎の球体で、セントラルパークに着陸したそれから異星人と思しき人物が降り立った。異星人はクラトゥと名乗り、人類の存亡をかけてやってきたと言う。


 【感想】

 自分、勝手にこの映画のあらすじを「地球の自転が止まって大パニック」だと思っていました。よく調べたらそっちは「ザ・コア」という映画でした。だから「いつ自転止まるんだろうなーわくわく」と勝手にわくわくしていたので余計強烈に肩透かしを食らいました。水が入っていると思ったやかんを思いっきり持ち上げてしまったような感覚です。



 まず、子役の全てが微妙。どうしちゃったのもう少し頑張ろうよという脚本のいけない部分が全部詰まっていてどうしようもない。ある程度脚本が固まっていたときに横から設定変更のゴリ押しでもされたのかっていうくらい不自然な設定。再婚相手の連れ子という設定はまだいい。でも、父親を忘れていない、というのは最後無理矢理いい話にしようとしてねじ込んだような感じがぬぐえない。そもそも彼は軍にクラトゥを引き渡したかったのか父親を蘇らせたかったのか意味が分からない。子供だって、行動に一貫性がないと観ているほうは不安になるんだぜ。


 それから国防省の悪者っぷりにも辟易してしまった。こういう事態になったらもっと慎重に行動しようよ。今時宇宙から飛来した異星人を抹殺とか監禁したりしたら死亡フラグだってハリウッドだって知ってると思ったんだけどな。国防長官の葛藤とか、そういうのがあればまだマシだったんだけど。


 途中からもののけ姫のシシ神様もびっくりのナノマシン大襲来になるのですが、ここもあっけないんだよね。ストーリーが軽いから、殺戮も破壊も紙みたいに軽い。軽い軽いで来ているから、せっかくの墓場でのいいお話も台無しです。この映画は親子の擦れ違いからの再生を書きたいのか、宇宙人が地球を救いたいのかよくわからんのですよ。どちらも中途半端で、裏返しのテーマとかそういう以前に不完全燃焼で終わっている。しかも一応SFなんだろうけど、終末かといえば全然終末じゃないし、異星人ものかと言うのも微妙だし、親子の愛情というのも違う気がする。この映画一体何がしたかったんだ!? キアヌ・リーブスをヌルヌルさせたかっただけか!? そうなのか!?


 一言でいうと「つまんねぇ」です。見終わったあとレビューサイトを少し回ってみたのですが、見事に誰も褒めていない……強いて言うなら「キアヌがはまり役だった」という感想が多いことくらいか。うん、キアヌは頑張っていたと思うよ、うん……。正直に言えば、この手のテーマなんて古典SFやドラえもんで散々やりつくしているんだからもっと斬新な解釈でも入れてくれればもっと違った評価もあっただろうに、というところ。そのまま異星人視察ものなんてやったって今日び誰も面白く思わないだろうね。


 最後に、冒頭の「硫酸の中で生きる細菌」とかもっと重要な伏線になるのかとドキドキして待っていたのですが、特になにもなかったのが残念です。せめて宇宙生命学の話をもっとしていれば、あるいは化けたかも……いや、それはないかもな……。