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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「バタフライ・エフェクト」

 展開が面白いということで観てみた。

 

 【あらすじ】

 エヴァンは幼少時、記憶喪失になることがありそのため日記を書いていた。20歳になり、その日記を読むと記憶を失った時点まで過去に戻れることを発見する。自分のせいで人生を狂わせてしまった幼なじみのケイリーを救いたく、何度も時間を巻き戻してやり直す。しかし、バタフライ効果(蝶の羽ばたきがきっかけで連鎖的に遠くで嵐を呼ぶように、些細なきっかけで大きな事態に発展していくこと)のようにどうあがいてもケイリーの兄トミーや友人のレニー、更には母親など誰かが不幸になる人生が待っていて、彼の下した決断とは……。

 

 【感想】

 いやー、面白かった。そしてこういう時間移動ものが大好きだと言うことがよくわかった。映画のストーリーも面白いのだけれど、導入の湿気てベタベタしたアメリカの田舎町の雰囲気が大好きでここだけでお腹いっぱいです。(児童虐待、少年犯罪など)特にトミー役のキレッキレな役柄とレニーののび太的ポジションがわかりやすくて良いです。


 ここからはどうしても話の展開に触れなきゃいけないので簡易フローチャート作ってみました。完全ネタバレですので見る予定のある人は気を付けてください。


【0回目】
記憶をたびたび飛ばすエヴァンに医者が日記を書くよう言う。
1 幼いケイリーと一緒にケイリーの父親にポルノ映画を撮られる。
2 ダイナマイトで図らず妊婦を殺害。逃げて事件は迷宮入りに。
3 トミーがエヴァンの犬を焼き殺す。おそらくそれで少年院に。
4 エヴァン引っ越し。やがて大学生で記憶について研究する。
 記憶を飛ばしている間に何があったのか思い出し、確認のためケイリーに「1」を告げる → ケイリー過去を悲観して自殺

【1回目】
1に戻り、ケイリー父に「ケイリーに手を出すな」と言う → かえってトミーがグレて襲い掛かってきたので反撃して殺してしまい、刑務所行き。

 

【2回目】
3に戻り、レニーに袋に入れられた犬を助けるよう刃物を渡す → 勘違いしたレニーがトミーを殺害。レニー精神病院行き。ケイリーはジャンキーな売春婦に。

【3回目】
2に戻り、妊婦は助けるがエヴァンが手足を失う → ケイリーとレニーがくっつく。トミーは何故か人助けに目覚める。母親がショックで肺癌に。


【4回目】
1に再び戻り、ダイナマイトでケイリー父を脅すが、失敗してケイリー爆死 → エヴァンが逮捕、精神病院へ。日記がなかったことになっている。

【5回目】
なんとか1以前に戻り、ケイリーとの仲を遠ざけ、トミーとケイリーが母親に引き取られるようにする。(エヴァンが好きでケイリーは父の元へ残ることになるから) → ケイリーと出会わなかったことになった。

 見ていて楽しかったのは「サウンドノベルみたいだなー」ということ。もともとゲームブックが割と好きで、「かまいたちの夜」とか「逆転裁判」が大好き。そんな感じで見ていました。最初の0回目はフローチャートの基本を辿って、その後はイベントごとに選択肢を選び直すような感じで、「まるで映画と言うよりゲームに近い」という印象です。

 特に行動の結果がある意味理不尽な方向に走るのも、意図的に誤りだろうと思われる選択肢を選んで結果を楽しむサウンドノベルのようで面白いし、細かい時間移動もとりあえずつじつまが合っていて、後で答え合わせをしているようで興味深い。特に「聖痕」のパートは深く考えたら負けというところが意味不明で面白い。

 ただ「過去を変えたら日記帳も変化しているのではないか」という野暮なツッコミはしてはいけない。この映画はそれを承知で楽しむしかない。

 主要人物のそれぞれの設定変更も面白いけど、現代パートの象徴として出てくるルームメイトのデブもなかなかイカした設定で存在しているだけで面白い。最初は「なんだこのデブ」だったけれども、エヴァンを気遣うシーンで「このデブ意外といいデブだな」とデブを見直すことに。デブは侮れない。

 レンタルで観たのでおまけEDは二つしか見られなかったけど、大体の評判通り劇場公開版のEDが一番いいと思う。セル版のみのディレクターズカット版が一番救いがないようだと概要を聞いたけど、劇場公開版が一番シンプルで素敵だと思う。ラストは意外とあっさりしていたほうが、この手の話って面白い。

 総評が「面白かった」なので「面白かった」とした言っていない気がするけど、とりあえず「面白い」です。映画の文法がわかっていると先を読めてしまうので飽きるかもしれませんが、とりあえずのオチが複数用意されているのでそこそこ楽しめるのではないでしょうか。