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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「PLANET OF THE APES/猿の惑星」

 ティムバートン祭りを開催しているのはいいけど、作品がなかったので仕方なくこちらを視聴。

 

 【あらすじ】

 土星付近にある宇宙基地オベロンでは、動物実験を行い知性を伸ばした猿の飼育を行っていた。ある日磁気嵐が発生し、探査のため一匹の猿を派遣するが戻ってこなかった。宇宙飛行士のレオがその後を追うが、同じく磁気嵐に巻き込まれてどことも知れぬ惑星に不時着する。そこでは知性を持った猿が人間を支配している惑星で、レオも猿たちに捕まってしまう。

 

 【感想】

 オリジナルの映画の方は見ていたので、違いを探すなどそれなりに楽しめた。「駄作」とレッテルを貼られているところも多いけれども、実はこちらのほうが原作小説に雰囲気が近いらしい。原作から逸脱して原作者に怒られる例もあるけれども(ビューティフルドリーマーしかり、シャイニングしかり)原点回帰であればアリなのではないだろうか。


 それに映画オリジナルにはない猿たちの細かい生活が描かれていたのも新鮮だった。主人公がオリで連れて行かれるシーンで出てきた色とりどりの生活する猿たちのシーンはオリジナルにはないカッコいいシーンだと思う。あと「人間の子を飼いたいの」というシーンもブラックさが効いていてなかなか。猿通しの権力闘争もある程度わかりやすくなっていて娯楽映画としてはやっぱりこちらのほうが見やすいかも。オリジナルはオリジナルでゴテゴテのSFをやっていてそれはそれで面白かった。でも柔らかくしたこっちを否定することはできない。

 とにかく猿が異様に人間臭い。そして醜くて、気高い。主人公の魅力はリメイク前より半減していたと思うけれども、時代の流れでできるようになった特殊効果の映像だけでマイナスを補える。最後の宇宙基地の造形は前作のラストを思わせるし、自由の女神からリンカーン像に変えたのも面白い。

 がっかりリメイクというより、方向性を変えた映画だと思うとこれはこれで娯楽性が上がっていると思う。残念なのはティム節がそれほど強くないというところか。