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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「シザーハンズ」

 勝手に1人で始めたティム・バートン祭りの発端はこちら。

 

 【あらすじ】

 これは「何故クリスマスになると雪が降るのか」というお話。化粧品の営業で町の外の城に来たペグは、人造人間のエドワードと出会う。未完成で両手がハサミのままのエドワードは一人で暮らしていたのだが、ペグは家に連れて帰り様々な世話を焼く。意外と周囲にも受け入れられ、町の植え込みやペットのトリミング、散髪など彼の評判は上がっていく。エドワードは同居しているキムに好意を寄せていくが、ある事件をきっかけに次第に周囲との軋轢に悩むようになっていく。

 

 【感想】

 まず絵がキレイ。とにかくキレイ。おもちゃみたいな色遣いの街並みとモノトーン調のお城の中。お城の中の渦巻き状の手すりにはティムのこだわりが見えて面白いし、街中にあふれるヘンテコなオブジェに満足する住人達もとてもコミカル。意外とすんなり受け入れられているエドワードも面白い。そして特典のエドワードのラフがとってもカッコいい。ラフ集の購入を考えたくらい。


 そして内容なんですが、これもキレイという言葉がぴったり来る。普通なら異形の者がやってきて、迫害されたのち、あることがきっかけでなかよくなりましたとさ、みたいな話が主流だけれどもこれはその正反対のお話。最初は受け入れられていたがどんどん追い詰められていく過程を悲しく書いてある。エドワードは単に純真無垢だったわけではないし、相当の人並みの規律は持っていたはずなのに、結局はキムを除いて彼を理解しようとする人間はいなくなっていった。泣いた赤鬼はどこにもいなかったのだ。全てが誤解の元話が進んでいき、ヤケを起こすエドワードも非常に人間らしい。彼がただの純真無垢でないことを物語っていると思った。

 バッドエンドのようなのに、「これでいいのだ」という感覚がぬぐえない。おとぎ話の中には見た目は残酷だけれども、中身は美しいものが存在している。それこそエドワードのキャラクターに込められたメッセージなのではないか。

 そしてやっぱりティムバートン本を買おう。買わないと後で後悔する気がする。