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傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「シュガーラッシュ」

 ディズニーの本気を見た。

 

 

 レンタルで見てドはまりして、ポケモンXYを買うついでに某アメリカ製のおもちゃ屋で衝動買いしてしまった。 物語としてご都合主義はあるけど、それなりにワクワクできる範囲のものでもあるし、伏線も結構キレイに回収できていて「見事!」と思った。それよりもなりよりも、過去現在、こんなにメタな小ネタを詰め込んだ作品があっただろうか。始まりの蒸気船ウィリーミッキーもなぜかドット絵で8bit音源。これで涙できたらこの作品は間違いなく面白いです。

 

【あらすじ】

 冒頭に出てくるのはレトロゲーム「フィックス・イット・フェリックス」。主人公はその悪役ラルフ。ラルフは自分が悪役として嫌われていることに我慢が出来ない。そこで自分の境遇を嘆きに「悪役の会」に出席する。でも逆に「悪役は悪役の役割がある」とたしなめられてしまう。「俺は悪役。それでいい」「ヒーローになれないのは悪いことじゃない。今のままの自分でいいんだ」という言葉に釈然としない思いで自分のゲームに帰るラルフ。そして「ヒーローのメダルを持って帰ってきたら認めてやる」というムチャクチャな約束をして最新型FPSゲーム「ヒーローズ・デューティ」に紛れ込み、半ばヒーローのメダルを強奪。そしてお菓子の国が舞台のレーシングゲーム「シュガーラッシュ」に紛れ込み、レースに出られないヴァネロペと出会い、ゲームセンター全体の運命がかかった陰謀に巻き込まれていく。

 

 【感想(ネタバレなし)】

 とにかく「やりたいこと詰め込んだな!」という感じ。

 まずレトロゲームのピコピコドットな世界。最新型ゲームのきれいだけど残酷なグラフィックな世界。そして夢が詰まって胸焼けがしそうなシュガーラッシュの世界。それぞれの世界が全く違和感なく共存しているところが見事すぎる。カルホーン軍曹とフィリックスが一緒にいるのに全く許されてしまうし、クッパにDr.エッグマンにベガなどなど悪役を詰め込んだ「悪役の会」も何回観ても面白い。(なんでザンギエフが悪役なのか、それは置いておいて)


 シュガーラッシュの世界もヘンゼルとグレーテルの「お菓子の家」のようにどこまでもお菓子で出来ていて、そこのグラフィックだけでも楽しい。レースも「マリオカートをお菓子で再現しました」という感じで実際にプレイしてみたくなる。普通のコースにダッシュパネル、ジャンプ台からのジャンプに雪山や洞窟コースなど「これスタッフがやりたかったんだよね?」と言わんばかりの設定。ゲームセンターやお菓子の国自体の設定もある種のこだわりが見えて楽しかったです。何より話の中で伏線がカチカチうまくはまっていくところがうまいですね。

 


【ネタバレ感想】

 セリフ回しが基本的に好きです。

「ゲームはいつからこんなに暴力的になったの」
「あなたほど解像度の高い顔はみたことがありません」
「この砂糖に覆われた闇で何が起きている」
「まるで人工甘味料の悪夢だな」

 ゲーム作品を題材にしているせいか、台詞のひとつひとつにこだわりが見れていいですね。ラルフとヴァネロペの悲しい境遇やなんかは前情報でたっぷり見ていたのですが、まさかフィリックスとカルホーン軍曹がここまで物語に絡んできてしかも第二の主役になるとは思わなかったです。

 ラルフが壊すことしかできないのであれば、フィリックスは直すことしかできなかった。直すことだけでも、壊すだけでも時には役に立たないことがある。大事なのは与えられた役割に誇りを持つことで、役割以上のことは望まないこと。


 この話は音楽も映像も好きなのですが、一番好きなのは今回のヴィランズがディズニー史上屈指のクズだったってことですかね。最初の登場シーンも「うぜぇwwそりゃ駄目だわww」と笑いを誘ったところでまさかの場面でヴィランズとして登場するところもなかなかの悪役。悪役が主役の話で登場する悪役としてはレベルの高いクズでないといけない。それで出た今回のヴィランズはなかなかはまっていていい感じでした。他のヴィランズと違って「悪役カッコイイ」が一切ないのがまた感じいい。ラストもなかなかエグい感じでスっとします。


 そんでこの映画最大の魅力が「小ネタ満載」ってところ。個人的に小ネタで笑ったところだけあげておきます。後は探せば無駄に出てくると思うので自分で探してください。

・ソニックが世界設定の紹介、途中でダメージ食らってリングを落とす
・スト?キャラのリュウとケンが一緒に飲みに行く、春麗キャミィが歩いている
パックマンのチェリーを持ってこれちゃう
・「きっとマリオだよ、いつも遅れてくるんだ」
・フィリックス死亡後の復活
・オレオ兵士とデビルズ・ドッグ
・まさかのビアードパパ
メントスコーラ
・世界的なKONAMIコマンド


 ゲームキャラネタは覚悟していたけど、まさかビアードパパメントスコーラまで出てくるとは思っていなかった。特にビアードパパは声出して笑った。あまりの不意打ちにしばらくツボってしまったよ。


 そんでEDロールだけでも小ネタ詰め込み過ぎてわけがわからない。これは映画を見ていたのか、小ネタの追いかけっこをしていたのかさっぱりわからない。それなりのストーリーもあるし、主人公も設定されていたけど出てくるキャラクターがみんなゲームのキャラクターだから
「ストーリーを見せられた」というより「一緒に冒険した」感覚が強い。もちろん子供も大人も楽しいけど、できればファミコンからゲームが好きだった人たちに見てもらいたい。最後のドット絵EDロールで間違いなく泣けてくるはず。そして最後までバグ仕掛けがあって「どこまでこだわるんだ!」とツッコミを入れたくなるほど、細部に手を抜いていない。


 まだ字幕版を見ていないので、これから字幕と吹き替えの違い研究してきます。まさかディズニー映画をヘビロテするとは思っていなかった。全面的におススメしたい映画です。キャラ萌えというより、世界にひたりたい人向きかもしれないですけど。


「俺は悪役。それでいい」
「ヒーローになれないのは悪いことじゃない。今のままの自分でいいんだ」