傍線部Aより愛を込めて ~映画の傍線部解釈~

主にひとり映画反省会。人の嫌いなものが好きらしい。

感想「さようなら」

 なんか露悪的。

 

さようなら

さようなら

 

 

【あらすじ】

 原発が爆発したことで、日本国民は他国へ難民として非難することになった時代。病弱なターニャはアンドロイド、レオナと静かに暮らしていた。友人や恋人が去った後も、彼女たちはふたりで時を重ねていく。

 

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感想「雷神~RAIJIN~」

 セガール版セブン的な何か。

 

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【あらすじ】

 殺人事件とかを正義の鬼刑事セガールがぶっ潰す。謎ときとかあるけど知るものか。

 

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感想「コルドロン」

 主人公が中Ⅱなディズニー映画。

 

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【あらすじ】

 豚飼いの少年ターランはいつか英雄になりたいと夢見ていた。ところが飼っていた豚ヘン・ウェンの様子がおかしい。実はヘン・ウェンは予知能力のある豚で、この力を狙ってホーンド・キングがヘン・ウェンの誘拐を企てる。彼の狙いは死者を蘇らせ、不死身の軍隊を作ることのできる大釜「ブラック・コルドロン」。果たして、ターランはホーンド・キングの野望を打ち砕くことが出来るのか。

 

 【感想】

 ディズニー暗黒時代に公開された映画で、「そんなの偏見だ!ディズニーは面白いぞ!」と擁護しようと思ってたのに「こりゃ暗黒だな!」と言うしかない感想。作画とか盛り上がりとか、そういうのはディズニーらしいのに、何でこんなことになっちまったんだ! という残念感が半端ないです。

 

 まず、最大の欠点が「主人公が魅力的じゃない」ってところ。「最初はごく普通の少年」という設定なのですが、なんと最後まで「ごく普通のいきがった少年」のままです。多少の成長の後は感じるのですが、とにかく魅力的じゃない。なにしろ登場してすぐ「僕は本当は豚の世話なんてして終わる人生じゃない。今に偉い騎士になってみんなが僕を讃えるんだ」みたいな妄想全開で動物相手に木の枝を振り回して満足しているんだもの。なんだその無駄な万能感は。

 

 そういうの、現代日本では「中二病」って言うんやで。

 

 とにかく中学二年生ターランが「テロリストがいきなり学校を占拠したら~」みたいな妄想をしているうちにヘン・ウェンが逃げてしまいます。それにしても師匠のじいさんも「過酷な運命が待ち受けているのじゃ」みたいなことを言ってるけど、ヘン・ウェンのこと最初から全部説明しておけばよかったんじゃないのかなぁと思う。

 

 そこで出会う不思議な毛むくじゃらの生き物、ガーギ。彼は友達が欲しくて馴れ馴れしくターランに近づきますが「俺様一番」のターランに邪見にされてしまいます。正直ガーギがかわいそうすぎる展開。そんで次のシーンはヘン・ウェンが魔王の城にさらわれていくシーン。急展開すぎる。「そうか、ヘン・ウェンを助けに冒険に出るのだな」と思った次のシーンではもう魔王の城に到着している。展開はや!

 

 到着した魔王の城で、ヘン・ウェンを魔王ホーンド・キングに利用させることは阻止できたのですがターランは地下牢に閉じ込められてしまいます。そこで己の万能感を反省するターラン。ところがそこに都合よくエロウィー姫登場。「わたし魔法が使えるから捕まってしまったの」というが、なんか光の球でネズミを追い回してるだけ。

 

 そして魔法を使っているらしい描写はここ含めてごくわずか。あとは普通の女の子。

 

 逃げている途中になんかすごい剣をゲット。剣のおかげで魔王の城から脱出することができました。ついでになんかよくわかんない楽士の爺さんも救出しました。命からがら逃げてきて、ターランはエロウィー姫と喧嘩をします。

 

 そりゃ「剣のおかげで逃げられた」なんてターラン様には不服なのですよ。

 

 その後ヘン・ウェンを探している途中でガーギに再会。それからすぐに妖精の国へ行って、あっさりヘン・ウェンと再会。その後何故か「ブラック・コルドロンを先に手に入れよう」という展開に。それからすぐにブラック・コルドロンを所有する魔女の家に。

 

 展開はやくね?

 

 すったもんだがあって手に入れたブラック・コルドロンをホーンド・キングに奪われてターランたちも捕まってしまいました。ブラック・コルドロンを封じる方法はただひとつ。命ある者が意思をもってブラック・コルドロンに飛び込むこと。つまり死ねってことです。この辺ホーンド・キングが死者を復活させたり画面は骸骨祭りで賑やかなのですが、ガーギが自らコルドロンに飛び込んで野望を阻止。ついでにホーンド・キングも吸い込まれてしまいましたとさ。ガーギは魔女のおかげで生き返りました。さあみんなで家に帰ろう。めでたしめでたし。

 

 うーん……ターランなんも仕事してないやん……楽士のじじいに至ってはパーティに入る意義がぜーんぜんわからん。狂言回しにしたかったのかな?

 

 とにかく主人公の魅力もなければ脚本も詰め込み過ぎキャラの設定が全く生きていない。冒頭で「ホーンドキングやべえな」「それな」って登場人物同士で会話をしているけど、観客には「ホーンドキングって誰?」って感じだし、元の長編小説を圧縮したからなのかもしれないけどとにかく展開が速すぎる。だから主人公の成長が全く見えない。都合のいい展開オンパレードでびっくり。

 

 更に魅力を削っているのが悪者関係。せっかくホーンド・キング様がビジュアル頑張ってくれているのに、他の悪者が本当に雑魚い。魔王の腰ぎんちゃくみたいなキャラクターが本当にキーキー騒いでいるだけで本当に使えないというか、邪魔。ディズニーはスミーとかイアーゴとかこういうキャラを出したがるけど、こういうキャラの采配って本当に難しい。スミーはその辺のバランスがかなりとれている神キャラのような気もしている。それに雑魚キャラも汚らしいごろつきヴァイキングだらけで、全然怖くない。その辺にもこの映画のダメさ加減が詰まっている。

 

 というわけで、この映画を実写あたりで全面リメイクをしてくれないかなぁとか思った。設定だけなら絶対面白いのに、演出のダメダメ加減がダメダメだから現代の技術で画面だけでもカッコよく、ホーンド・キング様にスポットライトを、ひとつ、どうにか。

 

感想「ビリギャル」

 ひとつの毒家庭の結末。

 

 

【あらすじ】

 私立の中高一貫校に通うさやかは家庭の問題などから勉強を全くしなくなり、学年ビリとして素行も悪いことから停学を言い渡されるほど荒れていた。心配した母親が通わせた個別塾で「慶応大学に行って周りをあっと言わせよう」と言われたことから猛勉強を始めるが、彼女の高2での学力は小学生ほどであった。

 

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感想「ゴースト・イン・ザ・シェル」

 諸君! ハリウッドでバトーさんが実写化されたぞ!

 


『ゴースト・イン・ザ・シェル』 本予告

 

【あらすじ】

 人間の脳が電子化できるようになった近未来。ハンカ・ロボティックス社から身体は機械、脳は人間の全身義体第一号として生み出されたミラ・キリアン少佐は公安9課に所属してテロリストと戦っていた。過去を持たない少佐はサイバーテロ事件を追ううちに、自分が何者であるのか考え始める。

 

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